Review:雪山安全装備の新定番、アバランチエアバッグ。Black Diamond ジェットフォースプロのすすめ

今や当たり前のように語られる雪山装備の3大セーフティアイテムといえば「スコップ」「ビーコン」「プローブ(ゾンデ)」。

その中のビーコンについて、実は今から20年以上前の90年代後半、私の所属していた大学山岳部では「雪山に入るためにビーコンは必須か?」という問題で部内が真っ二つに割れ、喧々諤々の論争がありました。当時1台5万円以上もしたビーコンを、個人で用意しろということはもちろん、部としてメンバー分用意することも、その方が安全だからといっておいそれとすぐ決断できるようなものではありません。結局、費用を部・使用者・OBからの援助等で何とか工面し「雪山登山際しては全員ビーコンを装備すべし」という安全優先のハードな結論に落ち着きました。当時は大変でしたが、今になって考えてもあの時の決断は正しかったと思っています。

安全性とそれに対する必要な投資とのバランス問題は、数十年前と変わらず、今でも存在しています。そのうちのひとつが、今回紹介する雪山用のバックパック「アバランチエアバッグ搭載式バックパック(通称アバランチエアバッグ)」です。簡単に言うと、万が一雪崩に見舞われたとしても、車のエアバッグのように瞬時に膨らんで身体を雪崩の表層に浮上させ埋没しにくくしてくれたり、木や岩などへの衝突の衝撃を軽減してくれたりするという驚きのセーフティギアのことを指します。上述した三種の神器のような、雪崩に埋没してしまった人の捜索・救助ツールとは違い、雪崩による埋没リスクを積極的に軽減するという意味で、分かりやすく魅力的な装備であり、実際にエアバッグの展開に成功すれば死亡確率を50%も減少させることができるとも言われているとか※1。

自分も雪山をやる人間として、これまでずっと欲しいと思っていました。しかし簡単に手の出しにくい価格や、ばかにならない重量、その他素人が手軽には扱いにくい構造(簡単に試してみることができないなど)といったハードルの高さから、まだまだ自分のような意識低い系アマチュアバックカントリースキーヤー・登山愛好家にとってはあと一歩手の届きにくい道具という域を出られずにいました。

そんなアバランチエアバッグですが、自分のような”普通の愛好家”にとってもいよいよ実用に足るものが来てるのではないか、そんな気配を感じさせてくれる興味深いモデルが、ここ数年で登場してきました。そのひとつが今回レビューするバックパック、Black Diamond ジェットフォースプロです。そこで近い将来、バックカントリースキーヤー(スノーボーダー)に限らず、すべての雪山登山者にとって必須となるであろうこの重要アイテムをこの冬実際にスキーや雪山登山で使ってみたレビューを早速お伝えしていきます。

目次

アバランチエアバッグで何ができるか?

レビューに入る前に、アバランチエアバッグとは何かついて、基本的な情報を共有しておきます。「アバランチ」という名前が示すとおり、これは雪崩に巻き込まれた際の生存確率を高めるための装備です。

雪崩に巻き込まれた際に、自身が雪崩によって堆積した雪(デブリ)の下に埋没してしまった場合、深ければ深いほど人間は自力で雪の中から脱出できる可能性はどんどん低くなります。雪崩の死因の75%は窒息死というのがそれを物語っています※2。巻き込まれたとしたら、生き延びるためにはなんとしてもできる限り雪崩の表層にとどまれるようにしなければなりません。

アバランチエアバッグは、トリガーを引くことで瞬時にバックパック内に搭載された風船が膨らみ、雪崩に流されている最中、遭難者を少しでも表層に近いところに浮かせ、デブリの奥底に埋没しないようにするという仕組みです。

百聞は一見にしかず。参考までに、アバランチエアバッグのデモンストレーションとして有名な以下の動画を。アバランチエアバッグを装備していたことによって実際の雪崩に遭遇しても見事生還したというショッキングな様子が収められています。

また、特定メーカーのモデルにあるもう一つの特長として、車のエアバッグと同じように、頭部を囲い込むように膨らむエアバッグが、立木や岩への衝突から頭や首などのクリティカルな部位を保護してくれるという効果が期待できるということも挙げられます。

もちろん、これを身につけていれば雪崩に遭っても絶対に埋まらない、というものではありません。基本的に雪崩は避けるように行動すべきであり、仮に雪崩があっても巻き込まれないようなポジションを常に意識しているべきです。そのうえで、どうしても遭遇してしまった際に、リスク回避の最後の切り札となるのがアバランチエアバッグなのです。

言うまでもないことですが、ここで紹介するバックパックの使用に際してはマニュアルなどに記載された使用方法と注意事項を理解し、雪崩の危険に対する知識と対処方法の学習は欠かせません。雪山でのすべての行動、および危険を想定したうえでの決断は各人の責任において行ってください。

Black Diamond ジェットフォースプロをおすすめする理由

電動式ゆえの操作やメンテナンスのしやすさ

アバランチエアバッグは瞬時にバルーンを膨らませる必要があることから、これまで圧縮ガスによる構造が主流でした。ガス式は構造がシンプルで空気の勢いも強く、比較的軽量であるなどメリットがある反面、圧縮ガスの入ったボンベは基本的に1回ごと使い切りで都度購入または再充填が必要、法律による取り扱い方法の制限、複数回使用に備えるためにはその分交換用のボンベを携帯する必要があるなど、手間とコストが馬鹿にならないという難点もありました。

このため自分のようなアマチュアがどんなものかちょっと試してみたり、万が一に備えて練習をしたりといったことが簡単にはいかず、それでいて余裕で十万超えの高額商品となると、購入の決断に至るには相当ハードルの高い道具と言わざるを得なかったのが現実でした。

こうした状況に対して、近年ARC’TERYXやPIEPS(& Black Diamond)などいくつかのメーカーで開発されてきたのが、モーター駆動による電動式のアバランチエアバッグです。電動式最大の利点は、なんといっても充電することで何度でも膨らませることができること。

これならば「雪崩かどうか定かではないけど、怪しいな」と思ったら躊躇なくトリガーを引くことができるし、いざという時きちんと作動させることができるよう、咄嗟の動作が身体に染み着くくらい訓練を積んでおくことも十分可能です。

細かなリスクまで想定された安全性の高さ

ジェットフォースプロの基本的な使い方は、電源を入れたあと、肩口のトリガーを強く引くことでバルーンの膨張が始まります。そこからの一連の流れを、下の動画にまとめてみました。

トリガーの底にある赤いスイッチを3秒間押すことでシステムが作動します。するとシステムがエラーチェックを行い、正常に動作可能であれば緑のランプとともに充電状況の青ランプが表示されます。

トリガーと反対の肩口には充電用のACアダプタージャックが通っています。行動中はジッパーを閉じて試用しません。ちなみにこのアダプタージャックとトリガーの左右は好みによって変更することができます。

行動中は、ウェストハーネスはもちろん、胸のスターナムストラップとウェストに配置されたレッグストラップを必ず締めます。そうすることで万が一雪崩に巻き込まれてエアバッグを作動させた際に、バックパックが身体から抜けてしまったり、ずり上がったバックパックによって首を絞めてしまうといった事故を防ぎます。

特にレッグストラップは引き伸ばしたり収納したりも簡単、おまけにカラビナが標準で付属されたことで、ハーネスに固定しやすくなりました。ちょっとした細かい点にまで使い勝手が向上しています。

ウェストハーネスの袋にストラップはきれいに収納でき、装着するときにはストラップを引けば伸びてくる。末端にはカラビナも付いていてこの上なくスマートな作り。

肩口のトリガーを引くと、瞬時にバルーンが膨らみます。

開いたエアバッグは頭部から体側面までを覆うような170Lの大容量サイズ。

※テストのためスターナムストラップとレッグストラップを装着していませんが、実際には雪崩の危険性がある場所では必ず装着して行動してください。

最新モデルでは前モデルに比べてシステムが軽量コンパクト化され、フル充電状態であれば、1回の充電で最低でも3~4回使用可能とされています(マニュアルには満充電で「3+」という表記)。この4回というのは、「ミスユース(誤操作)・ハイクアップ時のアバランチパス通過時・滑降時・雪崩が起きた直後の二次雪崩」のすべてが起きてしまったとしても無充電で対応が可能という、最悪のケースを想定された設計とのこと。ちなみに非公式ですが、自宅の室温20℃ほどの環境で試してみたところ、フル充電で8回の連続使用が可能でした。使用限界温度は -30℃とあるように、最大の使用回数は環境によって異なります。そうした最低温下での使用を考慮して3~4回であることは留意しておく必要があります。

自動収縮機能は安全性だけでなく、作動後のエアバッグ収納も簡単に

そして上の動画にもあるように、Black Diamond(およびPIEPS)のジェットフォースシステムはエアバッグが展開されてから3分間経過後、ファンが逆回転してエアバッグが自動的に収縮し、そこにエアポケットを確保することができます。これは万が一雪の中に埋没してしまったときでも、呼吸確保や脱出しやすい空間づくりに役立ってくれるように設計されているとのこと。

この自動的に収縮してくれる機能は、エアバッグを再び収納するときにも役立ってくれます。ジェットフォースは膨らんだ風船の空気を手動で排出する必要もなく、また決まったやり方で折りたたむ必要もありません。自動的に萎んだエアバッグを押し込みながらジッパーを閉じていけばいい(厳密には少し残った空気を絞り出す必要はありますが)。

エアバッグを再度収納する作業自体、実際にはそれほど多く遭遇するわけではないと思いますが、寒さと強風の厳しい環境下できちんと折りたたむのは非常に骨の折れる作業なので、このように多少アバウトでも構わない仕様は地味だけどありがたい設計です。

山行、あるいはシーズンが終わって保管する際の方法も、特別なケアは必要ありません。使用が終わってシステム終了する(スリープモードにする)には、先ほどのトリガーのパワーボタンを長押しするだけ。電源を切り忘れたとしても、エアバッグが12時間動いてなければ自動的にシステムがスリープモードに切り替わります。また、シーズンが終わるとバッテリーを保護するため長期保管モードにする必要がありますが、これも7日間スリープモードが続けば(つまり7日ちょっとの間バックパックがずっと動かなければ)自動的に長期保管モードに切り替わってくれます。

スマホ連動で常に最新機能にアップデート可能

さらに最新モデルによって進化した大きなポイントのひとつがスマートフォンのアプリとBluetooth接続することによって可能となる、オンラインアップデート機能です。これまで新しい機能の追加や不具合の修正などがあった場合のファームウェアアップデートは、製品をメーカーに送らなければならなかったものが、今モデルからはBluetooth経由で可能になったことで、アップデートのためにメーカーへ物を送り、何週間も待たなければならないということがなくなりました。実際に今シーズンもアップデートがあり、無事アプリを通じてアップデートに成功しました(下写真)。

ファームウェアのアップデートはスマホ経由でノーストレス。

このスマホアプリではこの他にも、より安全に使うための機能を備えています。例えばエアバッグを作動させることなく、システムに故障がないか、きちんと作動するのかどうかといった動作チェックを行うことができたり(下写真)。万が一の際に命を預ける道具であるだけに「電動式って、何となく本当に動くのかどうか不安」といった点に対して、少しでも安心を与えてくれる仕組みではあります。

システムの動作テストもスマホ上で実際にエアバッグを展開しなくても実行できる。

容量・用途に合わせて荷室を交換できるモジュラー構造

このパックのおすすめポイントのなかでも特に気に入っているのが、アバランチシステムと荷室部分が分離していることで、目的やプランに合わせて異なるタイプのブースターを着脱してカスタマイズが可能なモジュラー構造です。

異なるパック(ブースター)をジッパーで着脱すれば幅広い用途にカスタマイズできる。

十万以上もする高価なバックパックなのに、20Lの1パターンしか使えないよりも、10L・25L・35L・25L(スノーボード用)とさまざまな用途・容量を一つのアバランチシステムで使用できる方がいいに決まっています。この仕様は本当に助かりますし、買い渋っていた自分のような人間の背中を押してくれた大きなポイントになりました。※ちなみに今回本文のレビュー写真で登場しているしているジェットフォースプロは35L版です。

左:ジェットフォースシステム部分(背面)、中:35Lブースター、右:25Lブースター。

日帰りならば10Lや25Lサイズで十分な容量。35Lサイズなら丸1日分に加え一眼レフも持っていく場合などにちょうどよく、頑張ればテント泊でもいけるでしょう。下の写真は25Lサイズ(下写真左)と35Lサイズの容量イメージの比較です。35Lサイズはサイドにコンプレッションストラップがついているため、荷物が少なくても多少ザックはぶれにくくなりますが、いかんせんストラップが上に1つではそこまでしっかりと圧縮できず、その部分はバックパックとしてもう少し頑張ってほしかったところです。

25L(左)は35Lに比べて薄くなり、荷物のブレは少ない。35Lの方は荷物が少なくてもブレないようにサイドストラップがついている。

ただ、それでも残念だし注意が必要なのは、スノーボードを取り付けられるモデルが、25Lモデルしか選べないことでしょう。バックカントリーで35L以上も必要なスノーボーダーは数少ないのかもしれませんが、友人のスノーボーダーは、それが理由で泣く泣く諦めていました。

スムースで快適な背負い心地

バックパックとしての性能はどうでしょうか。外観を見てみると至ってシンプル。メイン生地はダイニーマ®繊維のリップストップによって強靭かつ軽量なダイネックス。雪が付着しにくく保水しない高密度のフォームパッドが配置された背面はショルダー・ウェストハーネスへとスムースに繋がって、背中に密着して覆いかぶさってくれます。ただ背面調節機能はなく、S/MかM/Lサイズどちらかを選ぶ必要があります。

アバランチシステムを搭載したバックパックは、通常のバックパックに比べると重量がかさみがちですが、ジェットフォースプロは背負った際の安定感もおおむね問題ありませんでした。アバランチシステム自体は腰の後ろあたりに位置しているため、普通に荷物を詰めると重心は下方に落ち着くため、滑降時に必要以上に身体が振られるような感じもありません。

ただし、この安定感は25Lのときはより快適に感じられましたが、35Lで荷物を目一杯詰めると若干振られる感じが出てきます。

無駄なく必要最低限のポケット類とアタッチメントによる収納性の高さ

バックパックとしての収納機能については、エアバッグシステムに専有されてしまっている部分はあれど、全般的にはかゆいところに手が届く使いやすさといえます。

メイン収納の背面側は、主にエアバッグシステムが外周を埋めてしまっていますが、中心付近に1Lのペットボトルやと500mlの保温ボトルが入る程度の空間が開いています。ナルゲンの太いボトルだと2本入りにくいので注意。

そしてフロント側には大きな収納スペースがあります。モジュラー構造のためメイン収納のジッパーは根元まで大きく開く構造です。

大きく開くメイン収納は、がっつりとパッキングするのには楽なのでありがたいのですが、このジッパーが思った以上にスムーズすぎて、立てた状態でのものの出し入れがやや不安定。よく使う部分だけに、そこはこのバックパックで最も気になった使いにくい部分でした。

前面にはアバランチツールが収められる収納があり、ジッパーは緊急時にすぐ開けるよう目立つ赤色の引手がついています。これらを操作しても開くことができますが、角っこにある黒い引手を引っ張るだけでガバッと開くことも可能です(1秒でも早くアバランチツールを準備するための細かい配慮!)。

上部にはゴーグルや小物を収納する大きなポケットもしっかりと配置。

ウェストハーネスの右側には小さなポケットがあり、タオルや行動食、予備インナーグローブ、雪落としブラシなどちょっとした小物を入れておくことができます。

パック外側にはバックカントリースキーのために必要なアタッチメントも一通りついています。例えばスキーアタッチメントはエアバッグと干渉しないようにダイアゴナルに取り付けが可能。荷物をパンパンした状態では上のベルトがウェスト幅120cmのスキー板にはややギリギリの長さでしたが、何とか取り付けることは可能でした。アバランチエアバッグシステムの構造的に、干渉しない取り付け方がダイアゴナルしかないということですが、個人的にAフレームでも取り付けられるようになっていると嬉しい。バランス的にはAフレームの方が安定しているので。

フロント上部に収納されたヘルメットホルダーを引き出すことで、ヘルメットを固定できます。このホルダーの位置がバックパックの下でなく上の方にあることや、取り付けも簡単なことなどが期待通り使いやすく、。

アイスアックスの固定もバックル&ベルクロでしっかりとできます。よほど長くない限りエアバッグと干渉しないとは思いますが、ピックやブレードのカバーは必須でしょう。

もうひとつの有力な選択肢、SCOTT PATROL E1 40 BACKPACKとの比較

実はこのモデルの他に、同時期に登場した、こちらも注目のアバランチエアバッグ、SCOTT PATROL E1 40 BACKPACK KITも少しだけ試すことができました。

同じ電動式で価格・重量などもほぼ同じ(若干SCOTTが軽い)。一見するとどちらがどう優れているのか判断がつかないと思っていたのですが、実際に使ってみると細かな使い勝手で思った以上に違いがあることが分かりました。それも誰が使っても明らかな優劣というわけではなく、人によって一長一短が違う悩ましさです。

そこで以下、自分が比較して気になった点をまとめてみます。

アイテム名Black Diamond ジェットフォースプロSCOTT PATROL E1 40 BACKPACK
システムとバックパックの分離・変更
可能かつバリエーション豊富で安価
可能だが交換するパックの価格が高め
スノーボードでの使用25スプリットモデルのみ
すべてのモデルで可能
スキーの取り付けダイアゴナルのみ
ダイアゴナル・Aフレーム両方可能
オンラインアップデート 
1回の充電での動作回数
複数回可能
基本的に1回
充電方法ACアダプター
USBケーブルで数時間、または単三電池×2本で40分ほどで充電可能
エアバッグの大きさ(容量) 
空気の自動排出機能手動で押し出す必要がある
エアバッグの収納
畳まず押し込んでOK
マニュアル通りに折りたたむ必要がある
収納性 
細かい使い勝手 
デザイン 

結果的に自分はBDのジェットフォースを選んだわけですが、その選択を決断したポイントは大きくいって以下の4点です(あくまでも個人的見解としての参考)。

  • 安全性能ではBDのジェットフォースシステムも、SCOTTのAlpride E1システムもお互い長所の違いこそあれどちらも十分で甲乙つけがたい。
  • どちらもバックパック部分の交換が可能で汎用性が高い作りだが、BDの方がバックパックの価格が手頃。
  • 自分はスキーヤーであるため、BDのスノーボードが取り付けられないというデメリットは関係ない。
  • エアバッグの収納やバックパック自体の収納性や使い勝手など、細かい点を含めた総合的な使いやすさではBDの方が上。

上のポイントに納得できる人は僕と同じようにジェットフォースの方がおすすめです。人によっては(特にスノーボーダー)ジェットフォースでは難しいということもあるかも知れません。。

まとめ:安全性・利便性・快適性と三拍子揃った電動式アバランチエアバッグの大本命

初めて手にしたアバランチエアバッグでしたが、結果的にはこのモデルを選んで大満足でした。通常のバックパックと比較すれば細かな不満点はあるものの、総じてこうしたバックパックがもうすぐ当たり前の時代になる、そう断言するのに十分な完成度の高さです。

長らく雪山での安全技術を追求してきたPIEPSの電子・ソフトウェア分野での技術力と、クライミングを中心に安全なハードウェアを追求してきたBlack Diamondが共に手掛けているだけある、細部にまで行き届いた安全性・信頼性の高さが随所に散りばめられています。

その上快適さ、使いやすさにも着実な進化がみられ、初めてアバランチエアバッグを背負うプレーヤーにとってこの上なく親切で安心のバックパックといえそうです。

1993~2017シーズンの統計を見ても、雪崩死亡事故の活動別割合を見ても、登山者が44%、スキーヤー40%、スノーボーダー10%と、雪崩はバックカントリースキーヤーだけでなく、雪山登山者にも例外なく襲ってきます※3。バックパックはスキーヤーだけでなく、雪崩の危険がある雪山でアクティビティを行うすべての人に有効です。

もし今このタイミングに、雪山でより安全に活動したい、周囲の人々を悲しませないためにできる限りのことをしたいと思ったら、ぜひとも検討しない手はないでしょう。

【脚注と注意】

※1 日本雪氷学会『雪崩対策の基礎知識2015』日本雪氷学会
※2・3 出川あずさ・池田慎二著 特定非営利活動法人 日本雪崩ネットワーク『~山岳ユーザーのための~ 雪崩リスク軽減の手引き』東京新聞

注意:ここに書いてある内容はあくまでも筆者の理解と経験に基づく個人的考察であり、製品の安全性や正当性を保証するものではありません。製品の購入、使用については各メーカーの公式情報を必ず十分に理解した上で、自然環境におけるリスクを十分に配慮し、各行動判断については各人の責任をもった判断により自己責任でお願いいたします。

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