Review:INOOK FREESTEP フランス発、スノーハイクで雪を楽しむためのスノーシュー

比較的手軽に雪山を楽しめるアクティビティとして、世界中でスノーシューハイキングが人気です。

アクティビティに人気が出ると、それに伴って多くのメーカーが新しい製品を通じてさまざまな楽しみ方を提案してくれる、幸せな好循環が生まれます。今回は今シーズン日本初上陸、スノーシューの本場フランスで20年以上の実績を誇るINOOKから、スノーハイクという”遊び”を存分に堪能させてくれるモデルFREESTEPを紹介します。

大まかな特徴

スノーシューの専門メーカーとして20年以上の実績を持ち、開発~テスト~生産・品質管理まで一貫してフランス国内で行うスノーシューの専門メーカーINOOKによる、使いやすさと安定性に優れたモデル。バックルのレバーで簡単に微調整ができ着脱も容易なソフトパッド製のビンディング、柔軟性とグリップを両立した樹脂製フレーム、自然な歩行に近い歩き方を実現するつま先のジョイント「ナチュラルステップ」、ストックで押すだけの歩行・登高モード切替(オートグライディングシステム)など、初めて雪上を歩く人でも抵抗なく操作できる優しい作りのスノーハイキング向けスノーシュー。逆に厳しい地形や持ち運びを前提としたトレッキング・バックカントリーにはやや物足りないか。

おすすめポイント

  • 調節・着脱も簡単なビンディング
  • 柔軟性と安定性・グリップを両立した樹脂製フレーム
  • ストックで押すだけの歩行・登高モード切替
  • スムーズなスライドが可能な下りの楽しさ

気になったポイント

  • 大きめの荷重に対しては緩みやすい
  • かさばる
  • 厳しい地形でのサポートは低め

スペックと評価

項目 スペック・評価
つま先調節
  • ストラップ
足首ストラップ
  • ソフトパッド
  • ラチェットバックル
前爪
  • マルチスパイクコンセプト
ブレード・クランポン
  • ハーシュアイアン機能
  • デンティキュレーティッドフレームプロファイル
クライミングサポート
  • オート グライディングシステム
サイズ(cm) 23×65
重量(g) 2160
サイズバリエーション ワンサイズ(適合サイズ約22cm~約30.5cm)
グリップ ★★★☆☆
浮力 ★★★☆☆
着脱のしやすさ ★★★★★
固定力 ★★☆☆☆
歩きやすさ ★★★★☆
下りの楽しさ ★★★★★

詳細レビュー

調節・着脱も簡単なビンディング

FREESTEPは靴底・甲(つま先)・足首の3点で固定するため装着した時の固定力はしっかりとしています。さらに踵はつまんで前後すればサイズが調整できるし、つま先はストラップを引くだけ、足首はスキーブーツのそれと同じようにストラップを通してカチャカチャと締めていくだけのラチェットバックル方式。分かりにくいところは皆無で、初心者でも違和感なく最初から使いこなすことができます。

柔軟性と安定性・グリップを両立した樹脂製フレーム

硬質な樹脂(プラスチック)製のフレームは適度な軽さと耐久性を併せもち、そしてアルミパイプ製のフレームにはない柔軟性と外周のエッジを備えています。このため雪質の硬軟や起伏が連続する地形を歩く際にも滑り難く歩きやすく、安定した歩行ができていました。こうした作りはヨーロッパ製のスノーシューには多く見られますが、フカフカの新雪だけでなく、クラストした斜面のトラバースや氷河なども歩くヨーロッパアルプスの多様な雪質・地形に対応するためといえます。そしてこのことは日本の山岳にも当てはまります。

ストックで押すだけの歩行・登高モード切替

標準的なスノーシューと同じように、踵が上がって歩きやすくなる「歩行モード」と、踵を底上げして急斜面を登りやすくする「登高モード」が付いていますが、このモデルではさらに踵を固定する「固定モード」も用意されています。使う場面が多いわけではありませんが、柔らかい下り斜面などでは足を滑らせるように歩くことができ、楽な場合があります。

個人的にINOOKのスノーシューで最も気に入っているのがモード切替です。通常登高モードにするには踵のピンをストックなどで引っ掛けて引っ張り上げる必要があるのですが、これが地味に面倒。歩行モードに戻すのもまたしかり。一方このモデルでは2つのポイントをストックで押すだけで各モードへの切り替えが可能です。まさにストレスフリーの使い心地は初心者にはうってつけです。

スムーズなスライドが可能な下りの楽しさ

スノーシューはフレームの形状によって微妙な歩きやすさや”乗り心地”の違いがあるのですが、このフレームの後部を見るとまるでスキー板のように抜けているのが分かります。これは何を意味するのかというと、雪面に食い込む部分は減る一方でスノーシューを滑らせた時の抵抗は減る。つまり下りで一歩一歩をスライドさせながら歩きやすくなり、スノーシューハイキング独特の下りの楽しさが味わえるというわけです。

気になる部分

大きめの荷重に対しては緩みやすい

つま先のストラップは靴の側面にピッタリ沿っているわけではないため、歩いているうちに緩んできます。自重が軽ければほとんど気になりませんでしたが、10kgを越えるような荷物で本格的な登山をすると緩みは無視できなくなり、何度か締め直す必要が出てきます。

かさばる

ワカンやMSRのLIGHTNINGシリーズのように薄くコンパクトなモデルと比べると、ビンディングとフレームを合わせた高さがネックとなり、バックパックに括り付けるには容積が大き過ぎるところが少し気になります。ただ重量自体は軽量なため、下界での持ち運び自体には特に問題はありません。

厳しい地形でのサポートは低め

フレーム裏側のスパイクやブレードによるグリップ力は十分にあります。ただフロント部に付いている5本の前爪は雪面との間に若干の空間があるため、斜面に蹴り込んだ際の食い込み感に若干の物足りなさを感じます。また登高モードもそこまで踵が高くないため、特に急な斜面にぶつかってしまうと苦労します。

まとめ:どんな活動におすすめ?

扱いやすい操作性と自然な歩行に近い歩きやすさ、十分なグリップ力は、フランス生まれらしいこなれたデザインと合わせて、これからスノーハイキングを楽しむにはもってこいの特長を備えています。新雪・湿雪・アイスバーンなどさまざまな雪質でも歩きやすく、ある程度の斜度までなら起伏に富んだ地形でも安定して安全に歩くことができるでしょう。何よりフカフカの雪をリズミカルに下っていく時にはこのモデルならではの楽しみを感じることができました。一方重荷での急斜面などの厳しいコースでの危険回避を最優先にするならば、他の選択肢をおすすめします。

なおこのFREESTEPには通常サイズの他に、女性など体重が軽い人向けの一回り小さいモデルFREESTEP Lightもありますので、体型と目的に合わせて最適なモデルを選ぶといいでしょう。

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