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活動後にも、普段履きにも大活躍。一度履いたら手放せないサロモンのリカバリーシューズ「REELAXシリーズ」レビュー

当たり前すぎて意識すらしていないかもしれませんが、ハイカーやランナーにとってきちんと「回復」することは、歩くことと同じくらい大切です。

一日何万歩、あるいは何十キロメートルと歩いてたっぷり溜まった足の疲労は、しっかりと休まなければ回復しません。元通りの元気な状態に戻すために必要なのは、適切な栄養と一定時間の休息が基本であることは言うまでもありませんが、その際に休息の効率性をより高めてくれる手段のひとつが、リカバリーシューズです。

過酷なレースや一日の活動後、それまで履いていた靴を脱いでリカバリーシューズに履き替えたときのあの解放感。カチカチになった足が緊張から解きほぐされ、足全体がマシュマロに包まれているかのような幸せな時間が続きます。あの快感を一度味わってしまうと、誰もが元に戻れなくなくなるはずです。近年ではその極上の快適さから日常履きとして利用する人々も爆増中で、その勢いは止まることを知りません。

そんな注目のリカバリーシューズを実に10年以上前から開発してきたのがサロモン。今回はこの春第6世代へとアップデートした彼らのリカバリーシューズ「REELAX」シリーズ3モデルをまとめて履いてみることができましたので、そのインプレッションをお届けします。

Salomon REELAX シリーズ 各モデルの概要と比較

アイテム名REELAX MOC 6.0REELAX SLIDE 6.0REELAX BREAK 6.0
イメージ
アッパーメッシュ生地(折り畳み式ヒール型)メッシュ生地(サンダル型) 360°成型 EVA フットベッド(フリップフロップ型)
ミッドソールFuze FoamFuze Foam EnergyCell™
アウトソールContagrip®Contagrip®Contagrip®
重量(g)約203g約196g約214g
得意なシーンや用途
  • レースや活動後のリカバリー
  • アクティブな日常履き
  • テント場シューズ
  • レースや活動後のリカバリー
  • 屋内でのデスクワーク
  • 日常でのリラックスシーン
  • レースや活動後のリカバリー
  • アクティブな日常履き
  • テント場シューズ
  • マリンスポーツ

はじめに:そもそもリカバリーシューズって?

リカバリーシューズとは言わばその名が示す通り「回復のために作られた」靴。

激しい運動や長時間にわたる脚への負荷によって傷ついた筋肉は、十分な休養と栄養摂取によって修復されることで、アスリートは再び元の(あるいはそれ以上の)パフォーマンスが出せるようになります。逆に疲労や痛みを十分に回復しないまま過度な運動を続けることは、より大きな長期にわたるさまざまな問題を引き起こす可能性を抱えてしまうことになります。

その回復の重要性に注目したランニングシューズメーカーは、さまざまな研究の末にランニング後の疲労やその他の身体的ストレスを軽減するシューズを考えます。それがいわゆるリカバリーシューズです。

現在さまざまなブランドからリカバリー シューズが開発されていますが、それらに共通する機能は一般に、疲れた筋肉をリラックスさせ、マッサージ効果で血流を促進し、歩行時のあらゆるストレスを軽減することです。

これを実現する具体的な特徴は、例えば足に受ける衝撃をできる限り軽減するクッション性の高いソール、足を適切なポジションにホールドしつつ土踏まずを優しくマッサージしながら血流を刺激するアーチサポート、湿気や熱をこもらせない通気性の高い構造など。

つまり(ものすごく雑ですが)まとめると、リカバリー シューズとはクッション性があって気持ちよく安心して歩けて、通気性に優れた快適なシューズとでもいえるでしょうか。この徹底した快適さ特化の特性から、最近ではリカバリーシューズの活躍の場はランニングに限りません。重い荷物で長時間歩き続けたハイキング後のテント場や、長時間の立ち仕事が多い人の屋内外での普段履きなど、今やリカバリーシューズ活用の場は多岐にわたり、同じリカバリーシューズでも使い勝手やスタイルなどが微妙に異なるバラエティ豊かなモデルが登場しているのが現状です。

Salomon REELAX シリーズ 各モデルインプレッション

REELAX MOC 6.0:活動後にフィールドから家までずっと履いていられる万能型モデル

リカバリーシューズといってまず多くの人が想像するのは、おそらく全体が柔らかい樹脂でできた、底の分厚いサンダルのようなデザインでしょう。ただこれらは機能的には十分であっても、いざフィールドを離れ街中でも履き続けたいとなった場合、歩きやすさやデザイン的な部分でやや気が引けてしまう人がいてもおかしくありません。

その点、このREELAX MOC 6.0は、アッパー全体をメッシュ生地で覆いヒールカウンターもあるシューズスタイルのデザインだから、フィールドだけでなく日常でも履いても違和感ありません。メッシュ生地は外側からつま先にかけては通気性重視、内側からかかとにかけてはしなやかさやフィット感重視と、異なる性質のメッシュを組み合わせることで通気性とフィット感をバランスよく両立させています。

履く前までこのシンプルな薄手生地はともすれば淡白なフィットなのではないかと疑っていましたが、実際この靴に足を入れてみると思っていた以上にゆとりがあり、柔らかな肌触りと抜群の通気性、それでいて立体的な裁断によって足の形にしっかりと寄り添い、足を包み込むようにフィットしてくれました。

ソックライナー(インソール)を見てみると、土踏まずの盛り上がりも、しっかりと深みのあるヒールカップも、通常のランニングシューズのように足の自然な形に沿って立体的に成形されていることが分かります(下写真)。ここも足全体の心地よいフィット感に好影響を与えてくれているといっていいでしょう。

ミッドソールには特にソフトな構成のEVAを使用した、軽量ながら非常にクッション性と反発力の高い「フューズフォーム」を採用。それがかかとに26.5mm、前足部に19mmと、過度に厚過ぎないように、とはいえできる限り潤沢に配置されています(ちなみにこのモデルからこうした素材は順次バイオマス素材を含んだエコフレンドリーな素材へと切り替えられているとのこと)。

確かにEVAフォームを盛れば盛るほどフワフワと弾力性のある履き心地になるかもしれませんが、行き過ぎたクッション性は足元を不安定にもしかねません。その意味でこのモデル(というよりもシリーズは全体通して)は適度なクッションがありながら足元を正しい位置にホールドしてくれるサポート性の高さも感じさせてくれ、そのバランスの良さが逆に良さでもあり、個人的に気に入っている部分でもあります。

アウトソールでは、消耗しやすい部分にはグリップ力と耐久性の確かなContagrip®を使っており(下写真)、濡れた路面などでも滑りにくく、また長時間屋外で履いていたとしてもすぐにすり減ってしまったといったことにもなりません。

さらにヒールカウンターを折り畳むことができ、普通のシューズだけでなくスリッポンのような履き方もできるという素晴らしいアイデアが前モデルから引き継がれています(下写真)。

リカバリーシューズとして十分な快適性を維持しながら、アクティブな日常での使用も含めて長時間さまざまなシーンで無理なく履き続けることも視野に入れたバランスの良さと使い勝手の良さが感じられる万能シューズといえそうです。

REELAX SLIDE 6.0:脱ぎ履きしやすさとスタイルが両立したリラックスシーンにピッタリのスタンダードモデル

一般的ないわゆるリカバリーシューズと同じようにスリッポン(サンダル)スタイルのモデルがこちらのREELAX SLIDE 6.0。上のMOCとの大きな違いはかかと部分のヒールカウンターがなく、完全なスリッポンスタイルであること。確かにMOCもスリッポンスタイルにチェンジすることはできますが、足の入れやすさや軽さなど考えるとやはり最初からスリッポン型である方が手軽で脱ぎ履きしやすいことは間違いありません。

さらにこのSLIDEMOCと基本的には同じミッドソールコンパウンド(フューズフォーム)を採用していますが、微妙ですがこちらの方が厚みがあってよりリカバリー目的で利用しやすく作られているように思われます。またかかとの生地がなかったとしても深めのヒールカップによって足が動きやすいということもなく、つまりサンダルになったとしても足のホールド感は失われずに歩きやすいのがやはりサロモンらしいという気がします。

その意味ではこのSLIDE、快適さや歩きやすさで本来のリカバリーシューズとしての利用は当然ですが、その使い勝手の良さとこなれたスタイルから3つの中では最も日常やデスクワークでの室内履きとして使いやすいモデルであるといえます。

REELAX BREAK 6.0:十分なクッション性と安定性を備えながら軽量・コンパクトな携帯性抜群のモデル

最後のREELAX BREAK 6.0は見ての通りビーチサンダル型のリカバリーシューズ。鼻緒のみのシンプルなアッパーによって最も軽量コンパクトな作りとなっているのが何よりの特徴で、ビーチサンダルの履き心地が好きな人はもちろん、できる限り荷物を軽くしたりそぎ落としたい場合にも最も魅力的な選択肢となり得ます。

一応このモデルのみ「EnergyCell™」という他の2足と異なるミッドソール素材を採用してはいますが、どちらも衝撃吸収力に優れたEVAであるのは同じで、正直なところ個人的にははっきりと分かるほどの違いは感じられませんでした。いずれにせよこちらもビーチサンダルとは思えないラグジュアリーなクッションは心地よく、土踏まずからヒールカップとメリハリの効いたフットベッドが形状によるリラックス感をもたらしてくれます。

また他の2モデルに比べて全体的にやや広めの足型になっており(アッパーがない分そう感じるだけなのかもしれませんが)、前足部やヒールカップにはゆとりがあって着地もブレずに気持ちよく歩けました。

さらにこのしなやかなフットベッドはアッパーの鼻緒部分までシームレスに形成されているため、肌触りも良好。ごろつきや擦れなどを感じることはまずありません(下写真)。

ビーチサンダルの解放感とそぎ落とされた軽量コンパクト性、そしてなによりリラックスするのに十分な快適性を兼ね備えたBREAK 6.0は、他の2モデルにはない魅力を備えていることは確か。個人的には泊りのテント泊登山や沢を含めたウォーターアクティビティに持って行くならピッタリだと思いました。

まとめ:効率的な回復をサポートする心地よさと快適に歩くための機能をベースに、多彩なバリエーションを揃えた3モデルは用途に応じて選ぶべし

SALOMON REELAXシリーズは、市場にあふれるリカバリー シューズの中でも特に靴としての全体的なバランスが絶妙によくとれたモデルで、本格的なリカバリー用途からカジュアルな使用まで幅広く活用できる汎用性の高さが非常に印象的でした。

軽くてソフトなミッドソールは足を適度にリラックスさせ、立体的に構成されたアッパーが優しく包み込み、手堅いアウトソールはスリップを防いでくれ、洗練されたデザインはカジュアルにも着用できる。3つのモデルそれぞれに微妙なデザインと使い勝手の違いはあれど、総じてその活用シーンは野暮ったいゴムサンダルに比べれば格段に広がっていくことが分かります。

3つのモデルのどれを選ぶべきかについては本文にも触れましたが、基本的にどれを選んでもその快適な履き心地と歩きやすさは確保されているので、あとは利用シーンと好みで選べば問題なし。いずれのモデルでもこの完成度の高さに、まだリカバリーシューズを試したことのない人はもちろん、すでに病みつきになってさらに多くの場面でリカバリーシューズを履きたいと考えている人にもきっと満足できるのではないでしょうか。

SALOMON REELAXシリーズの詳細と購入について

製品の詳細や購入については公式通販サイトの「サンダル&ウォーターシューズ」カテゴリ(メンズウィメンズ)をご確認ください。