ワークマンのメリノウール製アンダーウェア&アクセサリーをミニマリストハイカー視点からガチ格付け【山で使える?】
アウトドアブームの到来とともに、業界やユーザーをザワつかせ続けているワークマン。
そんなワークマンのド定番とも言える「メリノシリーズ」。
メリノウールはメリノ種の羊からとれる天然素材で、ウールの中でも良質とされ、調湿・保温・防臭性に優れ、ハイキングや登山、キャンプシーンをはじめとするアウトドアアクティビティでその地位を確立させてきました。
良質な天然素材であることから一般的に価格は高めですが、ワークマンのメリノシリーズは目を疑うほどの低価格で毎年売り切れ必須の人気商品です。アウトドアブランドのメリノ製品を目にしたことのある人ならば、こんな価格(低価格)で手に入るメリノ製品はどうなのか?と疑いたくなってしまいますよね。
実際に山で使ってみてらどうなのか?(意外と山でガチに使っているレビューが少ない。。)
そんな疑問が湧いてしまったからには使ってみないわけにはいきません。てなわけで、ワークマンの人気メリノアンダー&アクセサリーを山で使いこんでみて、しっかりと確かめてきましたので結果をお伝えします。
この記事では、前半でワークマンの100%メリノウールについての素材や使用感のレビューをし、後半でメリノアンダー&アクセサリーをランキング形式で紹介します。
目次
ワークマンの100%「メリノ」シリーズの素材について
ワークマンの「メリノウール長袖丸首シャツ」をはじめとするメリノ100%シリーズにはスーパーエクストラファインメリノが使用されています。
メリノウールとひとくくりに言ってもグレードがあり、繊維の太さによって階級付けされています。グレードが高くなるほど繊維が細くなり高品質になります。ワークマンのメリノ100%シリーズには最上位グレードに当たる「スーパーエクストラファインメリノ」が使用され、繊維の太さは直径16.5~17.5μm(マイクロン)※1μmは0.001mm
最高級グレードのメリノウールが使用されているにも関わらず、アウトドアブランドのアンダーウエアと比べ1/5ほどの価格で購入できるのだから驚きです。
ワークマンの「メリノ」シリーズの使用感
ワークマンのアンダー&アクセサリーのラインナップの紹介する前に、いきなり結論です。
ワークマンのメリノシリーズはメリノウールという素材のメリット「保温性・調湿性・防臭性」に優れ、メリノウールの長所をしっかりと感じることができるアイテムです。(安かろう悪かろうではない)
保温を重視したい低温環境でのファーストレイヤーとしては「保温・調湿」を発揮してくれる一方で行動中の発汗に対しての速乾性や、生地としての耐久性は化繊アンダーやアウトドアブランドが作るアンダーに軍配があがるかなと感じました。
とはいえ、コスト面を考えるとやはり魅力しか感じないワークマンのアンダー&アクセサリー。
ワークマンが作るメリノシリーズを秋〜初冬の八ヶ岳や北アルプス、奥秩父など(気温5〜-5℃ほど)で着込んでみて感じたことベースにレビューします。
シェルジャケットを着るようなシチュエーションで調湿・保温効果を発揮
気温が5〜マイナス5℃ほどの環境では止まっていると寒いですが、行動中は暑さを感じます。暑さは感じるものの、稜線などではアンダー一枚にはなれない環境ですから、どうしてもシェルジャケットやミドルレイヤーを着ての長時間行動になります。
そんな状況で行動しているとどうしても汗で「蒸れて」きます。透湿性の高いシェルジャケットを着ていても、発汗による一定の蒸れは避けられませんが、メリノアンダーが調湿をしてくれるので汗をかいていても不快感は少なく、ベタつきも感じませんでした。
同じケースで化繊のアンダーを着用しているときは発汗すると蒸れにより乾きにくく、汗戻りでベタつき不快感を感じますが、メリノは発汗していても調湿してくれるので蒸れを感じにくくしてくれます(飽和状態になってしまうとベタつくし、蒸れます)
オーバーワークで飽和状態になってしまう状態にならない限り、行動中も不快感を感じにくいでしょう。
保温についても、すごく温かい!というよりは、「冷えない」という感覚の方がしっくりきます。動いて汗かいても止まった時に冷えない感じ。これもメリノウールの特徴で、仮に濡れてしまっても保温力が低下しないので汗冷えしにくくなっています。
肌触り良し・チクチクしないから直接着てOK
天竺編みで作られているため、横方向への伸縮が特に高く、圧迫感は感じません。質感も柔らかいため着心地もよく、チクチクしたりもしませんでした。
2日間、着続けた後の臭いチェック
体臭に関しては自己判断になってしまうので参考程度に聞いて欲しいのですが、まるまる2日間、着続けても臭いませんでした(私調べ)
日常使用で3日間着込んでみましたが、同様に臭いは気になりませんでした。
アクティブに行動する際のアンダーウエアとしてはすこし厚手
筆者の場合、アンダーには吸水と速乾の役割を担ってもらい、ミドルレイヤーに保温してもらいます。ワークマンのメリノウール長袖丸首シャツはアンダーとしては厚手で保温効果が高いことから、気温が5〜マイナス5℃ほどの環境では少し使いにくさを感じました。
アンダーを選ぶ時のポイントとしては、「アンダーに何を求めるか?」が素材選びの重要なポイントになります。
汗をかくことを想定し、吸水・速乾を重視するなら化繊がいいですし、保温や調湿、防臭を優先させるのであればメリノウールは適しています。吸水・速乾も必要だけど、保温や調湿・防臭もほしいというわがままな人にはウールと化繊を混紡したハイブリッドなアンダーの方がしっくりくるでしょう。ワークマンのメリノウール長袖丸首シャツは保温を優先させたい人におすすめのアンダーです。
素材選びに加え、生地の厚さも関わってきますから、たかがアンダーウエアかもしれませんが、底無しに奥が深い。。。
筆者は割と寒がりですが、長時間の行動になると汗をかなりかきます。ファーストレイヤーは薄手のアンダーで、ミドルレイヤーやグローブ、ネックウォーマーなどで体温調節をしていく方が快適で気に入っています。
耐久面で不安あり。長期縦走などでは選択しにくい
メリノウールの長所でもある防臭性が備わっていることから、素材としては長期使用もしたいところですが、耐久性は気になったところ。
天然素材であるメリノウールはもともとポリエステルなど化繊生地に比べ耐久性は劣り、毛羽立ちやすい生地ではありますが、数回着たところで縫い目から破れてきてしまったり、縫製がほつれてきてしまいました。(縫って補修し、使っています)
筆者が購入したのがたまたま不具合があった可能性もありますが、ハードな使用を想定した長期縦走やトレイルではやっぱりアウトドアブランドのアンダーを選択したいかなというのが本音です。
ワークマン「メリノ」アンダー&アクセサリーを勝手にランキング!
丸首シャツやタイツに関しては存在は知っていたものの、他にも超優秀なアクセサリーが豊富にラインナップされていました。
ここからはワークマンのアンダー&アクセサリー6種を筆者が気に入った順にランキング形式で紹介します。
第1位:寒いけど暑い時にお腹の保温!ウエストウォーマー(腹巻)
使ってみて1番秀逸だったのがこのウエストウォーマー(腹巻)です。
実はウエストウォーマーは初体験。
わりと寒がりな筆者ですが、お腹を一枚保温するだけでこんなに快適なのかと驚いたアイテム。
冬でも低山なら薄着になりたいところですが、Tシャツ1枚ではさすがに寒い。かと言ってフリースを着込むには暑い。そんな時に活躍してくれるのがウエストウォーマー(腹巻)です。
サイズはフリーサイズで、平置きでの採寸では縦37cm × 横32cm。伸縮性が高く、ウエスト76~104cmまで対応可能。行動中に下がってきてしまうこともなく、お腹周りを保温してくれます。キャンプでの防寒に使うのにも便利ですし、筆者は日常でのランニングでも使っています。
重量は実測値で48.3g。防寒のためのウエアを一枚プラスするか迷うような時に選択肢に入れてもいいかもしれません。
第2位:山と町をシームレスに。ヘビロテ間違いなし「ボクサーパンツ」
夏でも冬でもウエアが重なる枚数の多い部分なのでメリノの調湿性の高さ特に感じられるボクサーパンツ。股に蒸れを感じないってすばらしい。
日常生活ではもっぱらUニクロのボクサーを愛用していた筆者。山行の計画に合わせて履く下着を調整し、山行当日にメリノボクサーを履いて出かけられるようにコントロールしていましたが、980円のメリノボクサーなら週7で履けるよう揃えるのも容易(コスト的に)
気になったところとしては背面側(お尻側)の縫目の位置。クッション性のある椅子に座るときはいいのですが、硬い椅子に座っていると縫い目が気になります(痛いほどではありませんが)
第3位:寒さ対策は首元から!ネックウォーマー
寒さ対策は3つの「首」を温めることが鉄則です。太い血管の通り道である「首・手首・足首」を保温することで効果的に寒さ対策をしましょう。
登山中、長時間の行動で体は暑いけど、顔がとにかく冷たいという状況ってけっこうあるあるだと思います。
ワークマンのネックウォーマーは長さが約50cmありますから、鼻まで覆うことも可能。行動中の首元の保温に加え、顔の冷えを防いでくれます。
ただの筒状であるネックウォーマーは汎用性が高いのも魅力で、ヘッドバンドにして耳を保温することもできます。
ネックウォーマーは生地の厚さが「3」と「4」から選ぶことができますので、行動中に使うなら3。防寒を重視するなら厚手の4を選べばOK。
第4位:ど定番の長袖丸首シャツ。用途によって厚さを使い分け
定番中の定番、「長袖丸首シャツ」。これは日常着にもおすすめしたい。それほど有能です(価格面と機能面)
生地厚さレベルは2種類あり、アクティブな行動用のアンダーなら生地厚さレベル「3」を選ぶのがおすすめ。真冬の日常使いや、キャンプでの防寒を目的にするなら生地厚さレベル「4」の厚手タイプを選へばOK
ラグラン型なので動きの妨げになりにくく、肩幅を気にせずに着れるのもいいところ(生地厚さレベル4のタイプは形が若干異なります)
アンダーであることを想定されているからか、袖丈は若干短めの作りで、トップスの下に着ていてアンダーがでてきてしまうこともありません。パタゴニアのアンダーはMサイズを選ぶ筆者ですが、ワークマンのアンダーはLLサイズを選択し、ちょうどよかったです。
価格は「生地厚さレベル3」が1900円、「生地厚さレベル4」が2900円です(価格は税込、2024年12月調べ)
メリノアンダーを週7着たいけど価格面から躊躇してしまう人には魅力的。日常からメリノを身に纏えば山と町をシームレスに移動することも容易です。
第5位:よりアクティブな行動時に使いたいバラクラバ
スピードハイクやラン、スキー・スノーボードなどよりアクティブな運動になるとネックウォーマーではズレやすくなります。そんな時はバラクラバです。
目以外をしっかりと覆ってくれるため保温効果が高く、頭の周りもカバーしてくれるため保温効果も抜群。ヘルメットやニット帽の下に着用してもOK。
呼気により濡れてしまうと乾きにくいのが気になるところですが、濡れても保温力が低下しにくいので装着していて不快感を感じにくいです。
縫い目が口元にくる縫製が装着していて気になりましたが、1280円という価格なので文句はありません。
保温性を重視するため、生地厚さレベルは4のみ。
重量は実測で46g。厚手の生地を使っているので化繊のタイプに比べるとやや重ためですが、呼気による唾液がつきやすいことを考えるとウールの防臭性は魅力。
第6位:フィット感が高く動きやすさが考えられたロングタイツ
丸首シャツの次にメジャーなロングタイツ。丸首シャツよりもフィット感は高めで、体にピタッと密着してくれるため普段履いているパンツの下に履いてOK。
登山靴やブーツなどを履くことを想定しているからか、裾丈は短めの設計になっているように感じました(長めのソックスとあわせるとGood)
秋冬の登山やトレッキングでは下半身の保温も重要になります。上半身はレイヤリングで体温調節しても、下半身がおろそかになってしまうと寒さを感じますし、下半身には人体の筋肉の中でも1番大きな筋肉(太もも)がありますから、太ももをしっかりと保温してあげることで寒さ対策を盤石にしましょう。
股のところには動きにくくならないよう、ガゼットクロッチになっているなど、動きにくくならないよう工夫されています。
ロングタイツは「生地厚さレベル3」のみで、価格は1900円。
まとめ:キャンプ地での防寒や、冬季の日帰りハイキングで活躍してくれるメリノアンダーシリーズは買って損なし!
ワークマンのメリノアンダーのレビューと、おすすめメリノアイテムを紹介しました。
これまでアウトドアブランドのアンダーを着てきた筆者。ワークマンのメリノアンダーは質感も柔らかいし、着心地もいい。メリノウールの特徴も感じられますが、縫製のディテールや耐久性、混紡などテクノロジーを存分に詰め込んだアウトドアブランドのアンダーたちには及ばないかなというのが本音です。
ですが、価格面からすると同じ土俵に立たせていいのかと。。なんせ抜群のコスパですから。
細かいところをみていくとアウトドアブランドのアンダーに軍配が上がるかもしれませんが、価格と品質のバランスを考えると爆発的な人気になるのも納得です。
ワークマンメリノシリーズは防寒に対してメリットが多く、ハイカー目線からいくと長期のタフなシチュエーションで使うというよりはライトな山行での着用に適していると感じました!
この冬はワークマンのメリノシリーズで快適にアウトドアを楽しみましょう!
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Yosuke(ヨウスケ)
不便にならない程度に「できるだけ軽く」をモットーにバックパックひとつで行動する人。
春から秋にかけては山奥のイワナを追いかけて渓流へ釣りに。 地上からは見ることのできない絶景を求めて山を歩き。 焚火に癒されたくてキャンプ。 白銀の山で浮遊感を味わいにスノーボード。
一年中アウトドアを楽しんでいるフリーのライター。 自身の経験や使ってみて良かった道具を発信しています。