数字に惑わされない!賢いヘッドランプの選び方

地味だけど必須の装備、ヘッドランプ選びは落とし穴だらけ!?

キャンプやテント泊から夜間行動を予定しない日帰り登山まで、登山をするなら誰にとっても必携ギアのひとつといわれるヘッドランプ。かつては単三電池と豆電球が繋がっただけの単純な小物でしたが、今では電子制御で手の込んだ新製品が次々と登場し、ベーシックなモデルも含めてアウトドアショップの一角に鈴なりになるまで成長していきました。

とはいえ、実際のところそんなにしょっちゅう使うわけでもなく、そう何度も買い替えるわけではないこのギア選びに関して、そこまでじっくりと考えこんだ記憶はない人の方が多いのではないでしょうか。ぼくも調べはじめるまでは思っていました、ぶっちゃけそんなに違いないでしょうと。これが実は大間違い。実際に使ってみないと分からないことが多すぎる。こんなにも表面上の情報と実態のギャップが大きいギアはないんじゃないかと思うほど、厄介なギアでした。

そこで今回は、ヘッドランプの基本的な種類・構造から、ヘッドランプの良し悪しを判断するときに注意すること、そして「何を」「どこまで」考慮して買うべきかなのかといった買い方のポイントについて迫ってみたいと思います。今回は長いですが、じっくり腰を据えてお楽しみください!

なお、今回の選び方を踏まえて、実際に主要なモデルを比較テストしてみたレポートをこちらに公開しましたので、興味のある方はそちらも合わせて参考にしてみてください。

目次

チェックポイント1:照射される光のタイプと種類

チェックポイント2:明るさ(ルーメン)

チェックポイント3:照射距離

チェックポイント4:照射時間(電池寿命)

チェックポイント5:耐久(防水)性

チェックポイント6:その他細かい機能

まとめ

チェックポイント1:照射される光のタイプと種類

前提:現在の主流はなんといっても”LED電球”

ヘッドランプに採用されている光源は、ここ15年ほどの間で「豆電球」から「LED(発光ダイオード)」へと大きな世代交代が起こりました。LED は従来の豆電球より明るく軽量、丈夫で省電力(長寿命)と多くの利点をもっていたため、あっという間に市場を席巻、現在では LED 以外のモデルを探す方が難しい状況です。LEDは現時点でアウトドア用ヘッドランプに最適な光源と考えてよく、このページでも LED を前提として話しを進めて行きたいと思います。

照らしたいモノによって適切な光(ビーム)を選択しよう

暗いところで手元の文字を読みたいときと、道の前方を照らしたいときでは、ちょうどよい光の強さや広さが違います。このことから、ヘッドランプは一般的に用途に合わせた光を照射できるように、いくつかの特性の異なる光線タイプを用意しています。当然メーカーやモデルによっては(オールマイティな特徴の)1パターンしかなかったり、きちんと1つのモデルで複数のパターンを備えていたりとバラつきがありますので、選ぶ際には光がどのタイプの傾向をもっているのかをチェックしておきましょう。以下にそれぞれの特徴と適した用途についてまとめてみました。
なお、光の各タイプには統一された呼び名があるわけでもありませんので、表中には参考までに主要メーカーでの呼称を記載しています。

タイプ ワイドビームタイプ スポットビームタイプ ミックスビームタイプ レッドライト
呼称 ワイド(ペツル)
近距離モード(ブラックダイヤモンド)
スポット(ペツル)
遠距離モード(ブラックダイヤモンド)
ミックス(ペツル)
デュアルビーム(プリンストンテック)
 
参考イメージ DSC00801_wide DSC00802_spot DSC00805_mix DSC00804_red
メリット
  • 広い範囲を均一に照らすのに優れたタイプ。
  • 調理や読書、手作業など、近いものを照らす時に便利。
  • 比較的柔らかい光なので他人の迷惑にはなりにくい。
  • 電力消費が小さく長持ち。
  • このタイプのみのヘッドランプは安価な場合が多い。
  • 範囲は広くないが、強い光を遠くまで届かせるのに優れたタイプ。
  • 奥まで照らすことができ、日暮れから夜明け前までのルートファインディングに適している。
  • ワイドビームとスポットビームの特徴を両方備えており、手動・自動で切り替えたり、調節したりできる。
  • 暗闇に順応した眼の瞳孔を刺激しない明かりとして夜間視野確保に優れたタイプ。
  • 自分の明かりで他人に迷惑をかけにくい。
  • 消費電力も少ない。
デメリット
  • 決して強い明るさではないため、遠くを照らすのには不向き。
  • 消費電力が大きく、寿命が短い。
  • 強い光が1点に集中しているため、近場を見たり、直接光源を見ると眼をつぶすほどまぶしい。
  • 強い光量になればなるほど重量も大きく、高価に。
  • 仕組みが複雑になり、相対的に壊れやすくなる。
  • 異なる光源を複数もつため、強い光量になればなるほど重量も大きく、価格も高価に。
  • 明るさはないので何かを照らすのには不向き。
おすすめのアクティビティ トラベル・キャンプ・日帰りハイキング・テント内での使用 夜間のランニング、登山、サイクリング あらゆる状況に対応 テント内で他人に迷惑をかけたくない状況や、遭難などの緊急時

選ぶときのポイント

ヘッドランプは使う目的に合わせて最適なタイプの光があるかどうか確認しておく。

  • トラベル・キャンプ:手元を照らすのに適したワイドビームのみのタイプで十分。安価で電池寿命も長いので使いやすい。
  • 日帰りハイキング:基本的に使わない前提のため、低価格で最低限の明るさがあり、軽量なワイドビームのみのタイプでもよいが、万が一を考えてスポットビームもあると安心。
  • 1泊以上の登山・ハイキング:普段は手元を照らすワイドビームで十分だが、万が一の夜間行動に備え、より遠くまで届くスポットビームも付いているモデルがおすすめ。その際重量、電池寿命などの要素も重要。
  • 冬山を含めた夜間行動前提の登山、トレイルランニング:瞬時のルートファインディングが必要なため照射距離が最も重要、スポットビームタイプがメインのできる限り高出力モデルがおすすめ。特にランニング用途には、軽く、激しい振動にもズレにくいフィット感も忘れずに。

チェックポイント2:明るさ(ルーメン)

ヘッドランプの明るさを示す指標「ルーメン」とは?

ヘッドランプの明るさは現在、ルーメン(lm)という単位が一般的に使用されています。最近のモデルであれば、大体パッケージの目立つ部分にその値が表示されているので、真っ先に気になる数字でしょう(写真)。ルーメンという単位が意味するのは光源が放つ光の総量、つまり光源から全方向に放出される、光(エネルギー)の全体量を示しています。一般的にルーメンが高ければ高いほど、それだけ電力を多く消費します。

lumen_package

明るさを示すルーメンはどのパッケージでも目立つ場所に表示されている。

いったいどれくらいのルーメンが必要?

現在発売されているヘッドランプの明るさは、20lm 程度の緊急用から 1,000lm 近くにもなる大光量モデルまでさまざま。ただ(あくまでも大まかな)目安として、キャンプや日帰り登山、泊りでも夜間行動を前提としない登山には 50lm 以上の明るさがあればひとまず安心でしょう。一方冬山や夜間行動を快適に使いたい場合には、最低でも 100lm 以上で、明るければ明るいほど行動は快適になります。出力が大きくなれば消費電力も、重量も、価格も上がりますので、選ぶ際にはその辺りのバランスが大事です。

ルーメンだけでは明るさを単純に比較できない問題

ただしここで1つ大きな問題が。ヘッドランプの明るさには、勘違いしやすい大きな落とし穴があるということをこれから説明します。

ルーメンという単位は一見すると「ルクス(=照らされた面の明るさ)」や「カンデラ(=光源の最もまぶしい点の明るさ)」といったその他の明るさの単位よりもシンプルで目安としやすい数字に見えます。では、メーカーから提示されているルーメンが「高い」=「明るい」ランプだと、果たして本当に言い切ってよいのでしょうか。答えはNO。理屈の上では確かにそう言えますが、実際のヘッドランプではそうならないケースが多々あり、ここにヘッドランプ選びの難しさがあります。

それを端的に理解してもらうため、下の写真をご覧ください。実は並べられた2つのヘッドランプは(メーカー表示が正しければ)どちらも同じ110ルーメンです。ところが、見たところ右の方が明るく見えます。いったいなぜこのようなことになるのでしょうか。

light_hikaku

約2m離れたところから白い布にライトを照射。撮影・現像条件は左右とも同じ。

勘の鋭い人はもう気づいているかもしれませんが、これにはルーメンという単位の意味すること自体に原因があります。

ルーメンは「光源から全方向に放出される光の総量」であるがゆえに、照射された光がどこに広がっていこうが、1点に集中していようが、反射版やレンズの性能によって光が拡散・減衰してしまっていようが、ルーメン自体は関係なし、つまり見た目の明るさはルーメンとは直接的な関係がないのです。写真の例でいうと、左のライトは(意図的・性能的かは置いておいて)広く薄く当たっているため全体的には暗く、右のライトは光が中心に集中的に当たっているため、全体としては”明るく”見えていると考えられます。

110ルーメンの光としてどちらを期待するかというと、もちろん右のライトだと思うのですが、パッケージからはこの仕組みを知らないとおそらく読み取ることはできないでしょう。残念ながら、購入前に実際に照らしてみることができない現状では、実際には左を買ってしまうかもしれないリスクがあるのが現実です。

そこで、とれる方法は2つあります。1つは、このサイトのような実際の比較テスト情報を参考にすること。ちなみにこの「Outdoor Gearlab」は編集部も参考にする、アメリカの尊敬すべきギアレビューサイトですが、このヘッドランプの章の気合いの入れ方は凄まじいものがあり、英語ですが参考にしないでは無いです。さてもうひとつは、後述する「照射距離」と合わせて比較検討するという方法です(詳しくは次の章で)。

選ぶときのポイント

  • キャンプや日帰り登山、泊りでも夜間行動を前提としない登山には明るさ 50lm 以上(登山にはスポットビームモードもあることが望ましい)、冬山や夜間行動をする場合には最低でも 100lm 以上でなるべく明るいモデルがおすすめ。
  • ヘッドランプの明るさは「ルーメン」によって示されているが、単純にルーメンの大小によって明るさは比較できない。同じルーメンの光でも、光線の幅やレンズ・反射板の性能によって実際に見える明るさには大きく差が出てしまう。
  • どのヘッドランプが本当に「明るい」のかどうかは実際に照らしてみなければ分からない。ある程度スペックから推測するためには「照射距離」とを合わせて検討する

チェックポイント3:照射距離

明るさを測るときに不可欠なもうひとつの指標「照射距離」とは?

ルーメンが光源自体の光の総量を示すのに対し、照射距離とは文字通りその光がどこまで届くのかという距離を示しています。どういう状態を「届いている」というかの基準は、各メーカーが自主的に決めていますが、公称ではどのメーカーもほぼ同じ「満月の夜の月明かりと同程度=0.25 ルクス以上の照度で照らすことができる距離」ということのようです。ルーメンと同様、多くの場合パッケージや説明書に記載されており(写真)、照射距離が長ければ長いほど前方の道を奥まで確認することができるため、ルートファインディングに非常に役立ちます。日暮れ時に、万が一道に迷ってしまった時のことを想像してみてください。より遠くまで見通せるランプがあることがどれほど物理的・精神的な助けになることか(もちろん、それがなかったとしても無理に動かずビバークするなどその場での適切な判断が重要なことは言うまでもありませんが)。

distance_package

複数のモードがある場合には、照射距離も複数表示されていることが多いが、1つの場合にはたいてい最大出力時の照射距離しか表示されていないことに注意。

「照射距離」と「ルーメン」を合わせてようやく明るさを比較できる

照射距離は、ライトの出力(=ルーメン)が大きければ必ず長くなる、というわけではありません。これがヘッドランプに関する2つめの大きな落とし穴。照射距離は、ルーメンの値だけでなく、光を1点に集中させるためのレンズのフォーカス性能とのかけ算によって決まってきます。つまり、同じルーメンでもレンズのフォーカス性能によっては、照射距離は伸びません(=明るくならない)。また、裏を返すと照射距離が短いモデルは、ライトの出力が低いだけでなく、光線のフォーカス性能が甘い(=明るくない)可能性も考えられます。

実はこの「フォーカス性能が甘い」例が、先ほど見ていただいたチェックポイント2で例に挙げた写真の例でした。左右の製品スペックを見比べてみると、左右とも同じ光量(110ルーメン)であるのに対して、左の照射距離は 40m、右の写真は 70m と、倍近くの差があったのです。このことからも、ヘッドランプの明るさを比べるのにルーメンだけを比較するのではなく、ルーメンと照射距離から明るさを総合的に類推比較することが有効だということが少し分かっていただけたのではないでしょうか。

パッケージに表示された照射距離が発揮されるのは最初だけ!?

照射距離に関して最後にもう1点注意をしたいのは、パッケージに表示された照射距離は、あくまでも理想的な条件の下最高出力モードで出た、いわゆる「瞬間最長照射距離」であるという点です。下の実験グラフを参考にしていただくと分かるとおり、実際にはその瞬間最長照射距離は(程度の差はあるものの)あっという間にパワーが落ちていってしまうということは知っておく必要があるでしょう(これも実は相当酷い・・・)。

Beam_Test Comparison

縦軸が照射距離、横軸が照射時間。最長照射距離は、もって数時間程度。(参考:Outdoor Gearlab)

選ぶときのポイント

  • 照射距離は、「基本的には」長ければ長いほど高性能でおすすめ。ただし一般的に照射距離が長ければ長いほど価格は高くなる。
  • ただし照射距離が長くてもフォーカス性能が悪く、効率が悪い(品質が悪い)モデルには注意。
  • パッケージに表示された(最長)照射距離は一瞬しか発揮されない可能性があるため、あまり当てにし過ぎるのは禁物

チェックポイント4:照射時間(電池寿命)

照射時間は内容を注意深くチェック、そして常に予備電池を忘れずに

明るさに関すること以外でおそらく最も関心があるであろう重要なチェックポイントは、照射時間(電池寿命)です。LED になって一気に寿命が延びたとはいえ、一方で出力も高くなりました。このためやはり実際にはある程度の回数使用すると、電池の交換は避けられません。通常パッケージに「◯◯時間(h)」という形で記載されていますが、例によってこの数字にも誤解しやすい落とし穴があります。

burntime_package

多くのメーカーは照射時間について「ランプから2メートルの距離で 0.25 ルクス以上の照度を保つことができる時間」としています。では例えば照射時間100時間となっているランプは、その間一定の割合でパワーが減っているのかというと、決してそうではありません。一般的なヘッドランプの明かりははじめこそ高い出力の光を提供してくれますが、数時間のうちに最低レベルの明るさに落ち、そこから数十時間その状態を続けます。この最低レベルの明るさは期待するパフォーマンスにはほど遠く、たいていの人は最低レベルに落ち着いた段階でもう電池を交換したくなるレベルであるということを勘案すると、メーカーの発表している照射時間の間ずっと満足して使い続けられることはまずないと考え、そうした数字を当てにせず、必ず予備の電池は携帯するべきです。

ではこの見かけの照射時間ではなく、実質的に使えるレベルがどれくらい続くのかという情報はどこにあるのでしょうか。これも残念ながら、公式には一部のメーカーしか公開していません。例えばペツルのパッケージを見ると、照射時間によって出力(ルーメン)がどのように減衰していくかというグラフが表示されていますので、そのデータを参考にすることはできますが、他のメーカーと同じ基準で比較することはできません。そこでこのサイトでは、各メーカー主要モデルの照射時間と出力の変化を実際に調べて比較していますので、ぜひ参考にしてみてください。

バッテリーの主流はアルカリから充電式へ

ヘッドランプは、使う電池の種類によってもパフォーマンスに違いが出てきます。一般的にはどこでも手に入りやすい単三または単四のアルカリ電池を使用しますが、一方ではニッケル水素などの充電式電池も経済的・環境的なメリットから人気があります。ニッケル水素電池はアルカリ電池に比べるとややパワーが落ちるという問題がありましたが、ここ最近、さらに高性能なリチウムイオンバッテリーの登場により、主役の座は時間の問題のようです(ここ数年モバイル機器の進化によって、充電式バッテリーの進化は目覚ましいものがあります)。

ただリチウムイオンバッテリーの場合、乾電池を予備に使用することができないため、スマホ用のモバイルバッテリーなどをもっていない人は注意が必要。これに対し、BLACK DIAMOND REVOLT のように、直接USB接続で充電できる経済性・便利さに加え、アルカリ乾電池も使用可能なハイブリッドタイプもあります。どれを選ぶべきかは自分のもっていく予備電池と相談して、最も効率良い構成を見越して考えるのがよいでしょう。他には、寒さに強くハイパワーなリチウム電池がまだまだ冬山には最も信頼性の高い電池として現役です(メーカーやモデルによっては使用できない場合もあるので注意)。

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選ぶときのポイント

  • 照射時間には、長時間続く最低出力の時間が含まれているため、実際に”使える”時間は数時間程度しかないと考え、予備の電池は必ず携帯しておく
  • 電池のタイプは、①どこでも簡単に入手できる乾電池タイプ、②高性能で使い勝手のよいリチウムイオンUSB充電専用タイプ、③USB充電も乾電池も利用可能なハイブリッドタイプのうち、携帯する予備電池との兼ね合いで選ぶ

チェックポイント5:耐久(防水)性

ヘッドランプの使用シーンというのは、たいていの場合夜間や緊急事態などのいわゆる緊迫した状況であることが多く、いざというときに使い物にならないなどということがないよう、他のギア以上に耐久性は重視すべきでしょう。特に電子機器であるヘッドランプは水に弱いため、最低限の濡れに対する防水性能があるかどうかはチェックしたいところです。

現在、ヘッドランプのカタログなどに記載されているのは、IPコード(エンクロージャによる保護等級)という防水性能の国際規格による指標です。カタログやマニュアルに「IP X◯」と記載されており、◯部分にあたる数字が大きいほど防水性能に優れているということを示しています(「IP X◯」のX部分は本来防塵性能を示す部分ですが、Xとは省略されていることを意味しています)。以下、それぞれのクラスでどの程度防水性能があるのかをまとめます。

基準 防水性能の目安
IP X4

あらゆる方向からの散水に対する保護

IP X5

水の噴流に対する保護

IP X6 水の強い噴流に対する保護
IP X7 一時的な水没に対する保護(水深1 m で30 分間)
IP X8 長時間の水没に対する保護(水深1 m よりも深い位置で、製造者により定められた時間)

参考:ペツルHP

選ぶときのポイント

  • 最低限の防水性能(IP X4)があるモデルがおすすめ。万が一防水機能が無いモデルの場合には防水パッキングを念入りにして、予備を必ずもち、雨の中の使用には特に注意する。
  • 冬山や沢登り、パドルスポーツ、長期のトレッキング、雨でも行動する前提のアクティビティなどに使用する場合は「IP X7」クラス以上の防水性能をもったモデルがおすすめ。

チェックポイント6:その他細かい機能

重量

一般的にヘッドランプの重量は、電池を装着した状態で 100g 前後。各メーカーの主力モデルはそこから10グラム前後の差異しかないため、通常はほとんど気にならない程度だと思いますが、一部のハイパワーモデルになると特に電池重量が跳ね上がるため、200g を超えてきます。ここまでくると、安定して装着できるように電池パックを分離するなどの工夫がなされていると、重さも気になりにくくおすすめです。

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一方、一部の超軽量モデルは 20g ちょっとという驚きの軽さ。ただし当然、照射能力には期待できませんので、そういう意味ではあくまでもエマージェンシー用として割り切って位置づけると非常に”使える”ヘッドランプです。

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照射モード切替のバリエーション

中級以上のモデルになってくると、設定できる光の強さやタイプのバリエーションが増え、この結果これらのモデルにはより多様化したさまざまなシチュエーションに最適な光を選択できるというメリットが出てきます。ただ、こうしたモードのバリエーションが増えることで操作方法が複雑化して使いにくくなるという負の側面もあり、正直あまりたくさんのモードは必要ありません。個人的にあって便利だったのはスポットビームでの「High-Low」を夜が明けるに合わせて調整したり、エマージェンシー用のストロボでしょうか(使ったことはないですが)。

モード 説明
高出力 >最も明るく照らすことができる、暗闇での使用に最適なモード。電池の消費量も最大。なお、ここから数十秒間だけさらに明るいビームを発することができる「ブーストモード」を備えたモデルも。
通常 高出力よりも暗いが省電力な明かりを提供するモード。
低出力 最も省電力で最低限のビームを提供するモードで、夕暮れ時のトレイルやキャンプ場での雑事にはこの程度で十分な場合が多い。
多段階 光の強さを上記3段階よりさらに細かく調節できる機能(ディミングモードとも)。
ストロボ 一定間隔で点滅するモード。普段使用することはないが、緊急時、周囲にこちらの存在を知らせる時に非常に役に立つ。当然消費電力も低い。
レッドライト (ライトパターンの項でも述べましたが)夜間に瞳孔を刺激しない種類の光で手元を照らす時に便利なモード。テントや小屋のなかで、寝ている他人を起こすことなく行動するときなどに便利だが、正直なところ、その他の低出力モードでもそれほど苦にならない。

バッテリー消耗時の電子的な光量制御機能

通常のヘッドランプの場合、バッテリーの容量が減っていくにしたがって明るさも徐々に減衰していってしまいますが、この機能があることによって、バッテリーの消耗に関わらず常に一定の明るさの光で照射し続けることができます。さらに進んだ機能になると、状況に合わせて光量とビームパターンを瞬時に調節してくれるモデルも登場していますが、当然価格も相当なので、どうしても必要な人以外にはオーバースペックです。

これらの機能で一点だけ注意としては、バッテリー消耗の限界点を超えると一気に暗くなるので、その時に真っ暗で電池の交換ができないなんてことがないように備えておきましょう(写真は光量を電子的に制御する「コンスタントライティング」機能の代表的モデル、ペツル「ティカ XP」)。

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照射角度の調整しやすさ

一般的なヘッドランプは頭にセットしてからランプの向きを上下に微調整できるようになっています。大体手元を見るときは下向きに、遠くの道を探る時には上向きに調整することが多いので、照射角度の調整し易さはヘッドランプの使い勝手を左右するポイントの1つです。なかにはこの角度調整が自動でできるユニークなモデル(写真:スノーピーク イマジノス)もあります。

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ストラップのフィット・サポート性

ヘッドランプを頭部に装着するストラップは、幅、厚さ、弾力性、調節しやすさ、耐久性など、思った以上に気を遣われるべきデリケートな部分です。特にトレイルランニングなどの長時間・激しい運動を行なう場合には特に、痛くならず、すべり落ちないように十分フィットして、微調節が可能でなければなりません(写真は抜群のサポート性をもった快適なヘッドバンドのペツル「ティカ RXP」)。

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まとめ

今回はギアの性質上、どうしてもややこしいことが多くなってしまいました(反省)。ともあれ、最近のヘッドランプは電子機器としてどんどん高性能・高機能になっているのは事実なのですが、それをことさらにアピールするメーカーの売り文句には騙されないように!ということが伝わってくれると幸いです。次回はいよいよ主要メーカーの各モデルを比較・検証レポートとしてまとめていきますので、そちらもご期待ください!

参考:編集部おすすめ ブラックダイヤモンド リボルト

明るさ(約100ルーメン)・照射距離(約70m)が飛び抜けているというわけではないものの、実質的な照射時間が長いため基本的なパフォーマンスは及第点。そして何といってもUSBによる充電が可能なうえに、アルカリ電池の使用も可能と利便性・汎用性も抜群。突飛な機能はない代わりに、誤操作防止機能などの使い勝手にも気を配られていて、非常に総合点の高い、優秀なモデルでおすすめです。

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実際に主要なモデルを比較テストしてみたレポートはこちら

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