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比較インプレ:寒さ対策は末端から!冬ランに最適なランニンググローブを比べてみた

寒さも本番。寒さにはめっぽう弱い自分にとっては、万全に寒さ対策をしないと容易に走りに出られない時期となりました。

そんな時意外とツラいのが、体の末端である手足の冷えです。ある程度走ると身体の方は温まってくるものの、風に当たり続ける手足はかじかんで感覚はなくなるし、なかなか温まってくれないしで、なんとも悩ましいものです。

そんなわけで冬のランニングやハイキングには手袋が欠かせませんが、例によって目的や気候別に、さまざまなモデルが存在します。今回は特にトレイルラン(あるいはランニング)用にちょうどいいグローブはどんなものがあるのか、どんなモデルを使えばいいのか?いくつか候補を集め、比較レビューしてみます。ひそかに気になっている人も多いはず。軍手もいいですが、やはり専用のグローブはいいものです!

目次

今回比較したランニンググローブについて

今回比較した5モデル。数あるランニンググローブの中でも、冬のトレイルを走るために必要な保温性と機動性、耐久性が一通り意識されているモデルをチョイスしてみました。

  • Montane VIA トレイルグローブ
  • mont-bell クリマバリアグローブ
  • Mountain Hardwear デスナスティミュラスグローブ
  • Patagonia ウィンド・シールド・グローブ
  • THE NORTH FACE ゴアクロースフィットトリコットグローブ

テスト環境

評価項目については、以下の5点を指標に設定しレビューしました。

  1. フィット性・・・わずかな違和感も、ランニング中はストレスになるもの。しっかりと手にフィットするかは、最適なグローブにとって基本的な要素です。
  2. 防寒性・・・冬に最適なグローブ探しということでは、防風・防寒は言わずもがな。ただし暑すぎてもいけません。
  3. 快適性・・・理想的な指通りや肌触り、さらに長時間着用してもムレが少ないのがベスト。
  4. 操作性・・・リュックからの物の出し入れや、靴紐を結んだり、スマホを操作したり、どれだけ普段と変わりなく手先が使えるかという視点で評価しました。
  5. 機能性・・・たかが手袋と侮ることなかれ。メーカごとに使いやすさや便利さなどで細かい工夫がされていたりします。その使い勝手でのプラスアルファを評価。
  6. 耐久性・・・通常のランニングならいざ知らず、特にトレイルランでは岩や木に手をついたり、転んだりと手を使うことが多々あります。生地・作りの丈夫さのも選ぶときには大切です。

以上の5点を意識して、ロードやアップダウンの多いトレイルでのランニングで数回テストしました。濡れの影響も見るために、降雨時のランニングや水に直接つけ防水のテストもしてみました。

テスト結果&スペック比較表

総合評価AAAAAAAAAAAA
アイテムモンテイン(モンテイン) VIAトレイルグローブ (ブラック/M/Men's)Montane VIA トレイルグローブMOUNTAIN HARDWEAR(マウンテンハードウェア) デスナスティミュラスグローブ OU7857 2018-19モデルMountain Hardwear デスナスティミュラスグローブ[ザ・ノース・フェイス] ランナーズ3オーバーミット M Gore Closefit Tricot GloveTHE NORTH FACE ゴアクロースフィットトリコットグローブPatagonia ウィンド・シールド・グローブクリマバリアグローブmont-bell クリマバリアグローブ
参考価格4,320円5,940円6,480円6,696円3,132円
ここが◎
  • 抜群のフィット感
  • 軽量でストレスフリーな着用感
  • ランニングに便利な機能
  • 軽さ・フィット感・防寒・操作性のバランス
  • 手のひらの滑り止めや左右のジョイントパーツなどの細かい便利機能
  • 軽量で快適な着け心地
  • 手指の動かしたときの快適さ、操作性
  • 計算された裁断によるフィット感と操作性の高さ
  • とにかく温かい
  • 丈夫
ここが△
  • 手の平部分の防寒・防風・耐水性
  • やや滑りやすい
  • 他のモデルに比べて若干指が短い(人による)
  • 防寒(保温)性
  • 耐久性
  • 縫い目の肌触りと耐久性
  • 手元の作業が苦手
  • 蒸れやすい
フィット感★★★★★★★★★☆★★★★☆★★★★★★★★☆☆
防寒性★★★☆☆★★★★☆★★☆☆☆★★★☆☆★★★★★
快適性★★★★☆★★★★☆★★★★★★★★☆☆★★★☆☆
操作性★★★★☆★★★★★★★★★★★★★★☆★★★☆☆
耐久性★★★★☆★★★★☆★★★☆☆★★★★☆★★★★☆
スペック
アイテムMontane VIA トレイルグローブMountain Hardwear デスナスティミュラスグローブTHE NORTH FACE ゴアクロースフィットトリコットグローブPatagonia ウィンド・シールド・グローブmont-bell クリマバリアグローブ
実測重量46g(Mサイズ)52g(Mサイズ)47g(Mサイズ)47g(Mサイズ)85g(Mサイズ)
素材Cameleon Lite(ソフトシェル)シェル:ディフレクションソフトシェルプレーンウィーブ(ポリエステル86%、ポリウレタン14%) アクセント:ポーラーテックストレッチ(ポリエステル84%、ポリウレタン16%) パーム:ナイロンPUシンセティックマイクロスエード(ナイロン65%、ポリウレタン35%)GORE-TEX INFINIUM™ Stretch Technology(表:ポリエステル100%、中間層:ePTFE、裏:ポリエステル100%)<平側裏地>Polyester Jersey(ポリエステル100%)<甲側裏地>Brushed Fleece(ポリエステル100%)グリッド状のエンボス加工を施し、ポリウレタン・フィルムをラミネートした5.5オンス・リサイクル・ポリエステル100%。DWR(耐久性撥水)加工済み。パネル:裏起毛させた6.9オンス・ポリエステル85%/ポリウレタン15%。ポリジン永続的防臭加工済み。手のひらのオーバーレイ:7.6オンス・ナイロン50%/ポリエステル50%のマイクロスエード。ブルーサインの認証済みクリマバリア®[ポリエステル]
スマホ対応指
  • 親指
  • 人差し指
  • 中指
  • 親指
  • 人差し指
  • 中指
  • 全指
  • 親指
  • 人差し指
  • 親指
  • 人差し指
滑り止め×
左右ジョイントパーツ×××

各モデルのインプレッション

Montane VIA トレイルグローブ

モンテイン(モンテイン) VIAトレイルグローブ (ブラック/M/Men’s)
モンテイン

ここが◎

  • 抜群のフィット感
  • 軽量でストレスフリーな着用感
  • ランニングに便利な機能

ここが△

  • 手の平部分の防寒・防風・耐水性
  • やや滑りやすい

優れたフィット感に加えて鼻拭き親指パネルなど、寒い冬には地味にうれしい機能もしっかり。

若いブランドながら高機能でファスト&ライトなマウンテンギアで高い実績を誇るMontaneが展開する、トレイルランニング用ラインナップ、VIA trailシリーズのランニンググローブです。

トレイルランニング用に作られているだけあり、手のひら側には保温性としなやかさのフリース地、甲側は防風・吸汗・透湿性に優れたChameleon Liteソフトシェルと、必要十分な機能。しかも軽量でストレスフリーな着け心地は、ランニング中のストレスを低減する無駄のない作りになっています。

機能だけでなく、フィット感も抜群。他にも汗・鼻拭き用の親指や着脱しやすいような工夫など、さすがトレラン専用モデル!と唸らされます。

ひとつ気になった点としては、手のひら側に防風・撥水性がまったくないため、保温力は今回中ではそこまで高くありません。厳しい寒さや濡れた場所での使用には注意が必要です。

Mountain Hardwear デスナスティミュラスグローブ

MOUNTAIN HARDWEAR(マウンテンハードウェア) デスナスティミュラスグローブ OU7857 010(Black) S 2018-19モデル
Mountain Hardwear(マウンテンハードウェア)

ここが◎

  • 軽さ・フィット感・防寒・操作性の高次元でのバランスのよさ
  • 手のひらの滑り止めや左右のジョイントパーツなどの細かい便利機能

ここが△

  • 他のモデルに比べて若干指が短い(人による)

保温素材を必要な場所に限って配置することで軽さと保温力を両立。手のひらのストッパーや鼻拭き親指パネルも搭載。

とても丁寧で、細部まで考えられた作りには感動しました。優れたフィット感の生地は全体的に薄めなものの、中綿のPOLARTEC素材を手首・手の甲・指先と、必要最低限な部分にのみ配置することで、保温性と重量・操作性の高い次元でのバランスを実現しています。

防風性・防滴性も十分配慮され、手の平には滑り止め、スマホ対応の指先、左右のジョイントパーツ、親指に配置された汗拭きなど、機能的にもかゆいところまで行き届いており、どんな条件の人にもフィットしそうば細かい配慮も高ポイント。

秋口から冬本番まで、ロードでのランニングから、トレイルランニングまでと、今回の中では最も汎用性の高い、総合力という意味で優秀なグローブだと感じました。

THE NORTH FACE ゴアクロースフィットトリコットグローブ

ここが◎

  • 軽量で快適な着け心地
  • 手指の動かしたときの快適さ、操作性

ここが△

  • 防寒(保温)性
  • 耐久性

薄手で快適な保温グローブは操作性も抜群。

手の甲側にゴアテックスがグローブ用に開発した最新技術、GORE-TEX INFINIUM™ Stretch Technology を採用し、とても軽量で柔らかく快適な着け心地が第一印象。これでいてもちろん十分な防風性と透湿性を備えています。

手のひら側には薄めのストレッチ素材を使用し、フィット感は悪くないです。そして手指を動かした際のストレスのなさは今回では最高レベル。グローブをつけたままでも様々なことが難なくこなせました。

一方、薄めの生地のため、保温力はあまり期待できません。このため、単体でならば秋口から初冬がベストフィット。冬の本番時期では、動きを止めた時などに多少冷えを感じるため、ウィンドブレーカーのような使い方で、薄いインナーをレイヤリングしてもいいのかもしれません。

左右のジョイントパーツや手の平のグリップ、甲の部分全体のリフレクター仕様など、細かい機能も豊富で、普段のランニングにも使える汎用性もあり、時期さえ間違わなければ使い勝手の良い1組でしょう。

Patagonia ウィンド・シールド・グローブ

ここが◎

  • 計算された裁断によるフィット感と操作性の高さ

ここが△

  • 縫い目の肌触りと耐久性

裏地を見ると指の関節などに縫い目があり、手の自然なカーブを意識して裁断されているのが分かる。

ウェアだけでなく、アクセサリにも良品が多いパタゴニアのウィンターグローブは、ランニングだけでなくサイクリング、ノルディックスキーなど、風や寒さを防ぎながら活動量の多いアクティビティ向けに作られています。今回比較した他のモデルと比べて多くのパーツを縫い合わせて立体的に作られています。このためフィット感の高さは抜群、さらに指の曲げ伸ばしも快適。その裁断の良さには感動しました。

ただ一方で縫製部分も多く、内側で縫い合わせ部分が擦れたりすることから、スムーズな肌触りや耐久性については多少不安が残ります。ランニングのみであれば問題なさそうですが、ストックを使ったり枝をつかんだりする際には注意が必要です。また手の甲側の撥水・防風性は申し分ありませんが、手の平側は水が浸みてきますのでそこも注意。

mont-bell クリマバリアグローブ

ここが◎

  • とにかく温かい
  • 丈夫

ここが△

  • 手元の作業が苦手
  • 蒸れやすい

防風メンブレンとフリースを潤沢に使って保温性は抜群。

写真だけで比べるとさほど気になりませんが、実物を見ると、他と比べてかなり厚手のグローブになります。

全面に防風・透湿メンブレンの「クリマバリア」、表裏にフリースと、今回の中では最もゴツくてモコモコしています。ただその分、防風性・保温性・防水性は抜群で、全てのモデルのなかは最も寒冷向きです。

フィット感なども気にならない程度によいのですが、いかんせん分厚くて、重量を感じます。一応透湿性があるものの、中途半端に寒い時期に使用するとグローブ内部はやはり蒸れてきてしまいます。また生地の分厚さから、細かい作業はできないと思ったほうがよいですし、ファスナーの上下も慣れるまでは苦労します。

その意味では活躍場面はやや限定され、寒さの厳しい時期に保温性を追求したいシーンでは重宝するでしょう。値段も他のモデルの半分近くに抑えられ、かなりコストパフォーマンスの良いモデルです。

まとめ

僕自身、寒いのは苦手ですが、グローブを着けて走るのも煩わしくて苦手です。普段寒い時も、指が温まるまで着用して、その後はリュックやポケットにしまうというような使い方をしがち。どうしても気になってしまうからです。

そんな自分にとってはなるべくフィット感が良く、ストレスの少ないモデルがおすすめでした。本格的な冬までも使える汎用性の高いモデルであれば、Mountain Hard WearやMonteneがベスト、寒さが本格化する前まで限定ならThe North FaceやPatagoniaがおすすめです。これらは程度は違えど、寒さを防ぎつつ、走りに集中できるモデルだと思います。

一方ストップ&ゴーが多い、氷点下でも走りたい、冷え性の方などは、薄手だとやや不安なので、mont-bellのような厚手で保温力の高いモデルを使用するのも安心です。

このマラソンシーズン、寒さに負けて走るのを諦めるのはもったいない!自分に合ったグローブを見つけて、快適な冬ラン・山ランを楽しんでください!

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横山貴史 (Yokoyama Takashi)

屋久島在住、この海あり山ありの素晴らしい環境で、素潜り、登山、サイクリング、ボルダリングからトレランまで自然をこよなく愛してやまない少年(心は!)です。現在はアメリカのトレラン文化に傾向中。アメリカのビックレース Western States Endurance Run・Hardrock100の完走を目標に、日々トレーニング中。「とりあえずやってみる。」 をモットーに様々な挑戦を続けます。無類のモグラ好き。

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