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今シーズン見逃せない超軽量レインウェア 2018

トピック3:最軽量・レース特化・超快適・・・その他のモデルもいろいろヤバい

MONTURA RAPTOR JKT

重量★★★ 防水性★★☆ 透湿性★★★ 快適性★★☆ 機能性★★☆

個性的で妥協を知らず、時にやりすぎとも思える作りこみをしてくるイタリアのアウトドアブランド、MONTURAもついに超軽量レインウェアの表舞台に参戦。メンブレンとして採用されたのは2.5層のPertex Shield。既に多くのブランドで前例がある素材ですが、もともと軽量化しやすい素材だけあって、メーカーによってさまざまな創意工夫が可能な素材といえ、その結果破格の90gという世界最軽量クラスに仕上げた実力はさすがです。しかも透湿性は公称40,000g/m2/24hと破格のスペック。軽量化によってフードの調節などは省略されていますが、パッカブル仕様のポケットや、袖のずれ上がりを防ぐストレッチサムループ、夜間での視界を高めるリフレクターなどの便利な機能は押さえてあるので、レース特化としてだけでなくハイキングやクライミングなどにも使い勝手は広そうです。 

mont-bell バーサライトジャケット

重量★★★ 防水性★★★ 透湿性★★★ 快適性★★☆ 機能性★☆☆

モンベルといえばストームクルーザーをはじめ、レインウェアに関して常に高い水準のプロダクトを世に出してくれる安心の国内ブランドですが、このバーサライトはそのスペックの高さと低価格によって愛用するトレイルランナーも多かった人気モデル。今期のリニューアルによってさらに防水透湿スペックが大幅に向上しただけでなくさらなる軽量化にも成功しています。その秘密のひとつに独自のカットパターン「K-Mono カット」があるのですが、性能的な向上だけでなく、シルエットについても従来のやや野暮ったかったものから、ようやくいい感じにスリムになり、垢ぬけてきてくれたことが試着してみて分かりました。欲を言えばですが、どうしてもこのブランド、最近価格が上昇気味なのが気になるところです。

Mountain Hardwear リロイジャケット

重量★★☆ 防水性★★☆ 透湿性★★★ 快適性★★☆ 機能性★★☆

限界に挑戦するアスリート達を革新的なプロダクトで支えてきた、アメリカ発のアルパインブランドの最新軽量シェル。言わずと知れた日本トップクラスのトレイルランナーである上田瑠偉選手のフィードバックを反映させただけあって、トレイルランナーにとっては愛すべきこだわりの強い機能が満載です。袖周りがバタつきにくいすっきりとした好裁断はマウンテンハードウェアのラインナップではすでにおなじみですが、加えてスタッフサックの不要なパッカブル仕様、後ろ身頃が余裕をもたせて薄いバックパックであれば背負ったまま羽織ることができるなど、さらにレースでのロスを最小限に抑える工夫が多くなされています。そして特殊な裏地加工によりドライな肌触りを実現した2.5層の防水透湿素材を採用することで、素肌にそのまま着用してもベタつき感がなく、発汗量の多いトレイルランニングなどのアクティビティに適しています。

NORRONA bitihorn ultralight dri3 Jacket

重量★★★ 防水性★★☆ 透湿性★★☆ 快適性★★★ 機能性★☆☆

昨シーズンの大きなトピックのひとつは快適・高耐久な3レイヤーで100g台前半という軽さを達成したことでした。その流れは今シーズンも止まらず、ついにNORRONA独自素材であるdri3を用いたレインウェアでも3レイヤー・超軽量のモデルが登場しました。これも3レイヤーならではのプレミアムな着心地を備え、加えて高い防水透湿性を備えています。基本的なつくりは最初に紹介したbitihorn Gore-Tex Active 2.0 Jacketと同様ですが、より制約が少ない分、生地選定からシームテープなどのパーツ含めて惜しげもなく削ぎ落していますので、この快適さにして驚くべき軽さを実現しました。非常に細身ながらも動きやすい裁断、美しいシルエットはやはり唯一無二の色気がありますね。

(再掲)そもそも超軽量レインウェアって何がいいの?どんな人に向いているの?

超軽量レインウェアとは?

もちろんこれまでも軽いレインウェアはたくさん作られてきました。ただ、当時はまだ肌触りがベタベタしていたり、ムレやすかったりなど課題も多く、軽いとしてもまだまだ使いにくかったのが実情でした。それがここ数年、トレイルランやファストパッキングなどの活動量が多く短時間のアクティビティの普及によって、多くのブランドや素材メーカーがそれらに適した、軽くて透湿性の高い防水透湿素材を使ったジャケットを次々と開発しはじめました。その結果、現在では軽いだけでなく、目的やスタイルに合わせて快適さや使い勝手などが異なるさまざまなモデルが数多く選べる状況が生まれています。

1.とにかく軽さ・薄さがハンパない

従来の登山向けレインウェアの重量は約400g~500g前後。一方で超軽量タイプと位置づけられるレインウェアの多くは上着だけで200g代前半かそれ以下。今では100gを切るモデルもめずらしくなく、350mlの缶ジュースより大分軽いです。

2.しなやかで動きやすく着心地も快適

ごわつきがなくしなやかな着心地。腕を通してすぐに分るサラサラとした裏生地の肌触り。これまでのレインウェアではそんなものだと諦めていた着心地は、超軽量レインウェアでは驚くほど改善されています。以前までの(軽いだけの)レインウェアでは、どうしてもそのツルツルとした肌触りが汗をかいた時の不快感として残ってしまいました。それが2015年リリースされたGORE-TEX® C-KNIT™ バッカ―テクノロジー をはじめ、裏生地をラミネートではなくしっかりとした生地を貼った、いわゆる3レイヤー構造が主流となりつつあり、超軽量にもかかわらず肌触りは常にサラサラで快適になりました。その他動きやすさを重視したストレッチ生地を用いたモデルなども登場し、軽いだけでなく発汗の多いアクティブな活動を無理なくサポートしてくれるのも大きな特徴です。

3.汗をかいてもドライを保つ高い透湿性

元々トレイルランやサイクリングなどの(短時間に激しい動きで、大きな荷物を持たない)アクティビティを想定して生まれた超軽量レインウェアの多くは、従来の一般的なレインウェアよりも相対的に高い透湿性能を持った素材・構造になっています。このため超軽量レインウェアは激しい動きや真夏の行動でも快適さを保ち、その意味では快適さと対候性能を両立させた最適なアウターとなってくれます。

ちなみに透湿性能に関して、eVentやPertex、Neoshell、GORE-TEX®などの素材メーカーはもちろんですが、各アウトドアブランドも独自に高機能素材を開発し、ますます多様な性能と特徴をもった生地の製品が作られています。そのうえウェア自体の透湿性は生地の厚みやベンチレーションの構造によっても左右されるので、今後ウェアの快適さのカギを握るのは素材の善し悪しだけでなくウェアの作り全体を見ていく必要があるでしょう。

4.急な雨風にも耐えられる防水・防風性能

最近のモデルはこれほど薄く軽くなったにもかかわらず、通常の雨風に耐えるには十分な防水性能を備えています。耐久防水性能を数値で測定する際に使う「耐水圧」という数値で見ると、例えば軽量素材として代表的な Pertex Shield+ の耐水圧は20,000mm です。大雨を防ぐのに必要な耐水圧が10,000mm といわれていますから、日帰りや低山の登山では十分「使える」実力です。ただし念のため補足ですが、長期縦走や雨の多い地域、2,000m級以上の山での暴風雨では必ずしも十分とはいえないので、これ1着でどんな登山にも使えるとは考えない方がいいです。あくまでも日帰りハイキングやトレイルランなどの穏やかな環境や短期間の激しいアクティビティを前提に考えた方が良さそうです。

5.あり得ないほど小さくなる高い収納性

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OUTDOOR RESEARCH HELIUM HD ジャケットの収納例。ピットジップ付きのウェアでさえこのサイズに収納可能。

これだけの特徴を備えながら、畳む際には手のひらに乗るくらいまで小さくなってしまいます。トレイルランやサイクリングなどはもちろんのこと、ファストパッキングや一般的な日帰り登山など、できる限り荷物を切り詰めたいすべての人にとってこの小ささはメリット以外の何ものでもありません。

6.快晴時に着たままでその後脱ぎ着の必要なし

しなやかで動きやすく、そのうえ高い防水透湿性、防風性を実現しているということは、もはや雨具という枠に収まらない使い方ができることをも意味しています。つまり常時アウターとして、ウィンドシェルのような利用が期待できるということ。例えば肌寒い朝に着始め、樹林帯でのキツい登りや稜線上での急な強風でも、もちろん突然の雨でも脱ぎ着の必要なし。そうなれば特別ものぐさな人でなくとも時間節約という大きなメリットを享受できるのは何ともありがたいことです。

7.街着にも、多様なアウトドア・アクティビティにも最適

元はといえばランニングやバイクなどの激しい運動を想定して発展していったウェア。活用の幅が広がった現在でもさまざまなアウトドア・アクティビティに最適です。スタイルやデザイン的にも細身で動きやすい、スタイリッシュなものが多く、ランニング時のアウターとしても街着としても違和感なく着られてしまうので、これ一枚でかなりの着回しが可能。きっとヘビロテ間違い無しです。

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