Review:Rab Flashpoint Jacket これだけのパフォーマンスでこの軽さは事件

一番厳しいユーザーが生み出す超高機能レインウェアに隙なし

Rab(ラブ)はトップアルピニストであった創業者 Rab Carrington 自身の経験から「世界で最も過酷な場所で利用する登山家にとって最も実践的で優れた」製品づくりに邁進するイギリスのアウトドア・ウェアメーカー。言わば作り手自身が”一番厳しいユーザー”でもあるわけで、新技術に対する貪欲な姿勢や、時に価格を度外視したハイパフォーマンスなギアなどの”突き抜けた生真面目さ”はある意味尊敬に値します。

さて今回の Flashpoint Jacket(フラッシュポイントジャケット)は、高い防水透湿性能を備えていながら、驚異的な軽さを実現した超軽量レインウェア。そのパフォーマンスの高さたるや、ぼくはコイツを知ったとき、長らく防湿透水性素材の王様として君臨していたGORE-TEXの天下もそろそろやばいんじゃないか、とまで思ったほどです。それでは早速レビューしていきましょう。

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詳細レビュー

アイテム名(価格)

Rab(ラブ)Flashpoint Jacket(フラッシュポイントジャケット)

正面・背面(写真は2015モデル)

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前面

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背面

主なスペックと評価

フラッシュポイントを含めたおすすめレインウェアの徹底比較レポートは「比較テスト:登山にランに大活躍の超軽量レインウェアを着比べてみた【2016年版】」から

評価
防水性
(20点)
17
透湿性
(20点)
16
快適性
(10点)
7
機動性
(10点)
7
重量
(15点)
13
収納性
(15点)
13
耐久性
(5点)
3
使い勝手
(5点)
3
総合点 79
スペック
生地 Pertex ShieldⓇ + 3-layer fabric
レイヤー 3 layer
カラーバリエーション Zinc
Koi
重量 195g(S)
ポケット 1(胸)
ピットジップ なし
フード ヘルメット対応
収納方法 スタッフサック

ここがスゴイ!

驚異的な軽さと収納性

まず何といってもこの195gという重量に驚かない人はいません。3レイヤー防水透湿メンブレンであるPertex Shield +を極細の表裏生地で挟み込んだ軽くて薄い着心地は、ここまで来ると着ている感覚すら忘れるレベルです。。十分な透湿性を持っていることと軽量化を徹底するためか、ピットジップ(脇下のベンチレーション)などの部品も極限まで削られています。2015年まで個人的にもっていた「軽量レインウェア」の基準は300g以下と考えていたのですが、コレが出てきてしまったおかげで早ければ200g以下は当たり前といった状況がやってくるのではないでしょうか。

当然これだけの薄手の生地で作られたことによる容量の削減効果も飛躍的なものがあります(下写真)。

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これでも袋は若干ゆとりがあり、感覚的には林檎1個と変わらない容量。

優れた防水透湿性能

実際のところ、100g程度の防水ジャケットは無いわけではないのですが、本当に驚きなのはこの軽さにもかかわらず優れた防水透湿性能を備えていることです。公表されているスペックでは耐水圧20,000mm(通常のレインウェアとしては十分なレベル)、透湿性は非公表ですが、45,000g/m2/24hrsあった前モデルと比較してもそこまで違いはないと思います。実際にこの夏のテストを通じても雨でもサラサラ感を失わない快適さが続きました

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繰り返し雨中にさらされてみたが、撥水性の持続力には特に驚き(写真は2015モデル)。

さらに忘れてならないのが、これが裏地のメンブレン保護もしっかり備わった、肌触りも滑らかな3レイヤーの生地であること。ここまで寸分たりとも手抜きが見られないつくりには感動すら覚えます。

フード・ポケット類などもそつなく配置

レインウェアに最低限必要なパーツにも、手抜かりはまったく見られません。唯一のポケットは十分な大きさを備え、フードの大きさも、ヘルメットの上から被っても窮屈さは皆無。調整用のドローコードは左右・後頭部にしっかりと備付けられています。

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ポケットにはマップを収納しても余裕十分。

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フードは顎部分の空間も十分、調整もし易く雨をしっかりガード。

軽量な止水ジッパーの内側にはフラップ、裾のドローコード・袖口のベルクロと、雨水の浸入に対するケアもしっかり。

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裾のドローコードは左側に配置。

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軽量化も意識した袖のベルクロ。

ここがイマイチ

価格

性能面では再三書いているとおり、呆れるほど隙がまったく見られないのが正直なところ。ピットジップがあればもっと快適ともいえなくはないのですが、この生地が凄すぎてそれほど透湿性に不満があるという程でもぶっちゃけありません。このミニマルさが失われてしまう方がもったいない。なので、強いていうならば、やはりこの手が出にくい価格になってしまいます。ただこれも性能に見合っているとは思いますが。

まとめ:どんな人におすすめ?

他に類を見ない高い透湿性と軽量さを備えたこの防水アウターは、少しでも重量を減らしたいアルパインクライミングや、より過酷な状況でタイムを求める山岳レース、ファスト・トレッキングなどに、これ以上ないくらいフィットすると思います。もちろん、通常のハイキングやトレッキングでも大活躍しないはずはありません。1つだけ注意したいのは、これだけ薄く軽い作りなので、厚手のレインウェアにあるような防寒という側面はまったく期待できないと考えた方がいいでしょう。

余談ですがGORE-TEXを開発する W.L. Gore & Associates社は先日、新しい防水透湿性素材の開発に向こう5年で20億円以上の投資を行なうと発表しました(2015年9月段階)。GORE-TEXの天下であった時代はもはや過去のこと。次世代防水透湿メンブレンの開発競争はこれから益々激化していくことが予想され、この分野、これから先も目が離せません。

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